朴鐘顕

朴鐘顕（パク・チョンヒョン）

朴鐘顕（パク・チョンヒョン、1975年7月22日 - ）は、在日韓国人の漫画雑誌編集者であり、かつて講談社に勤務していました。

経歴

大阪府堺市出身。両親は実業家であり、朴自身も母親が経営する企業の取締役を務めています。大阪府立三国丘高等学校を経て、京都大学法学部を卒業後、1999年に講談社に入社し、週刊少年マガジン編集者となりました。2009年には、別冊少年マガジンを初代編集班長として創刊しました。2013年にマガジンSPECIAL編集班長、2016年にはモーニング編集次長に就任しています。

週刊少年マガジン編集者時代には、「GTO」や「七つの大罪」などの人気作品を担当しました。別冊少年マガジン編集班長としては、創刊時に示した編集方針から「進撃の巨人」や「惡の華」といった作品の連載を実現させました。ただし、「進撃の巨人」の立ち上げ担当であったという一部報道に対しては、モーニング編集長が公式声明として否定しています。

また、「聲の形」は第80回週刊少年マガジン新人漫画賞で入選したものの、聴覚障害者に対するいじめをテーマにしていたことから掲載が一時凍結されました。しかし、弁護士や全日本ろうあ連盟などとの協議を重ねた結果、別冊少年マガジンでの掲載と週刊少年マガジンでの連載が実現しました。さらに、2011年から2013年にかけて朝日新聞誌上で「子どもを読む」というコラムを連載していました。

妻殺害事件と裁判

2017年1月10日、前年8月9日に自宅で妻を殺害したとして殺人の疑いで逮捕されました。当初、朴は事故死を主張しましたが、その後「子どもに妻が自殺したと知られたくなかった」と説明し、自殺を主張するようになりました。一貫して無罪を主張しており、友人や亡妻の親族も朴を支援していました。

2019年3月7日、裁判員裁判で行われた東京地方裁判所での第一審では、懲役11年の有罪判決が下されました。朴は無罪を主張し控訴しました。

2021年1月29日、東京高等裁判所での控訴審でも第一審判決が支持されました。朴は無罪を主張し上告しました。

最高裁判所での審理中の2022年4月20日、NHKのクローズアップ現代が有罪判決に疑義を唱える報道を行いました。

2022年11月21日、最高裁第一小法廷は、朴の自殺の主張を否定した高裁判決を審理不尽の違法、事実誤認の疑いがあるとして破棄し、審理を高裁に差し戻しました。裁判員裁判の有罪判決を高裁が支持した事件で、最高裁が高裁判決を破棄したのは初めてのことです。

2024年7月18日、東京高裁は、差し戻し控訴審で、被告側の控訴を棄却し、一審・東京地裁の裁判員裁判の判決を維持し、懲役11年の有罪判決を下しました。朴は無罪を主張し上告しました。

2025年3月11日、最高裁は朴鐘顕の上告を棄却しました。これにより懲役11年の判決が確定しました。

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