東京BABYLON

『東京BABYLON』とは

CLAMPによって創作された『東京BABYLON』は、1990年から1993年にかけて新書館の『サウス』と『月刊ウィングス』で連載されました。この作品は、後の有名な漫画『X』へとストーリーが引き継がれており、CLAMPの初期の代表作の一つとされています。1992年と1994年にはOVA化され、さらに1993年には実写ビデオドラマとしても制作されました。

本作は、京の陰陽師である主人公の昴流が、東京で頻発する怪異や霊的なトラブルを解決する様子を描写しています。物語は、恋愛や友情、さらには社会問題に焦点を当て、自殺、ダイヤルQ2、いじめ、新興宗教、老人の介護といったシリアスなテーマを展開することで、多面的な深みを持つ社会派作品に仕上がっています。

あらすじ

物語は、陰陽師の若き当主である皇昴流が中心となっています。彼は、怨霊や呪いから人々を守る使命を負いながら、心優しく繊細な性格の持ち主。しかし、彼の双子の姉である北都は、陽気で明るい性格で、昴流をサポートします。二人の前に現れるのが、桜塚星史郎という若き獣医師であり、彼は暗殺集団「桜塚護」の跡取りです。

初めは敵対しているかのような彼らですが、星史郎は昴流に対して強い興味を抱いています。しかし、彼には昴流を殺すという目的が潜んでいました。9年前の出会いが運命の賭けを引き起こし、昴流は彼の手によって命の危機に直面します。祖母の術で一命を取り留める昴流ですが、心を失い、まるで廃人のようになってしまいます。

昴流の姉、北都は彼を救うために姿を消し、昴流は心を取り戻すものの、北都が殺されたという無情な知らせを受けます。彼は、姉の仇である星史郎を討つために、学校を退学し、復讐を心に誓うこととなります。

登場人物

皇昴流（すめらぎ すばる）

声 - 山口勝平
16歳の主人公であり、皇一族の当主。陰陽師としての素晴らしい能力を持ち、東京で起こる霊的な事件の数々を解決しています。真面目で自己犠牲的な性格が特徴で、他者への配慮が強い反面、自らの進むべき道に悩み続けます。

皇北都（すめらぎ ほくと）

声 - 伊藤美紀
昴流の双子の姉で、彼とは異なり明るく、ポジティブな性格を持っています。彼女は弟のサポートをしつつ、時には彼を見守り、特に彼の優しさを心配しています。

桜塚星史郎（さくらづか せいしろう）

声 - 子安武人
25歳の獣医師でありながら、陰陽術を用いて暗殺を行う集団の跡取り。普段は温厚ですが、冷酷な一面も持ち合わせています。昴流に執着心を抱きながら、彼の命を狙う姿勢が怖れられています。

書誌情報

本作は全7巻で刊行されており、さらに新装版や愛蔵版も出ています。また、関連商品としてCDやDVDも多くリリースされ、多くのファンを魅了し続けています。特に音楽や映像の展開は、作品の魅力をさらに引き立てています。

『東京BABYLON』は、独特の世界観と深い人間ドラマによって、多くの読者に支持され続けています。その多様なテーマに先進的な感性を加えて、今日でも多くのファンに愛される作品です。

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