東京ポートシティ竹芝

東京ポートシティ竹芝：新たな都市再生の象徴

東京ポートシティ竹芝は、東京都港区海岸一丁目に位置する複合施設であり、2020年9月14日に開業しました。この施設は、超高層の「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」と、住宅施設である「東京ポートシティ竹芝レジデンスタワー」の二つの主要な建物から構成されています。

歴史的背景と再開発

1923年の関東大震災は、東京の港湾整備の必要性を浮き彫りにしました。その教訓から、1925年に日の出埠頭が整備され、その後、芝浦埠頭、竹芝埠頭が順次完成し、1941年には東京港が開港しました。竹芝埠頭は、長らく伊豆諸島への定期船の基地として利用されてきました。バブル期には、周辺の都有地にビルやホテルが建設され、1995年にはゆりかもめ竹芝駅が開業しましたが、首都高速道路が地域間の連携を阻害し、老朽化した施設の存在が地域の魅力を低下させていました。

このような状況を打開するため、東京都は国家戦略特別区域計画に基づき、都有地を70年間の定期借地とし、民間活力を導入する「都市再生ステップアップ・プロジェクト（竹芝地区）」を推進しました。2013年には、東急不動産・鹿島コンソーシアムが事業予定者に選定され、再開発プロジェクトが本格的に始動しました。

施設概要

2020年に竣工した施設は、旧東京都公文書館、東京都計量検定所、東京都立産業貿易センター浜松町館の跡地に建設されました。オフィスタワーは地下2階、地上40階建てで、レジデンスタワーは地上18階建てです。また、浜松町駅から竹芝駅、竹芝埠頭までを結ぶ全長500mの歩行者デッキ「ポートデッキ」も整備されました。

東京ポートシティ竹芝は、その優れた景観形成が評価され、東京都港区の「令和４年度 景観街づくり賞」を受賞しました。

オフィスタワーの詳細

オフィスタワーは、浜松町側に位置しており、東急不動産とソフトバンクが共同で、AIやIoTを活用したスマートビル技術を導入しています。これにより、人流データや環境データを収集・分析し、快適な環境整備と効率的なビル管理を実現しています。

ポートホール： 1階にあるイベントホール
竹芝グルメリウム： 1階から3階に位置する21店舗の飲食店街
東京都立産業貿易センター浜松町館： 2階から5階
ポートスタジオ： 8階にある多目的スタジオ
ビジネスエアポート竹芝： 8階にある会員制シェアオフィス（東急不動産運営）
一般社団法人CiP協議会： 8階
オフィスロビー： 6階
オフィスフロア： 9階から39階（ソフトバンクグループ、ソフトバンク、WeWorkJapanなどが入居）

主な入居企業

ソフトバンクグループ株式会社
ソフトバンク株式会社
株式会社リブセンス
株式会社アイプラス
イースト・インベストメント・キャピタル株式会社
WEBディレクションジャパン株式会社
* 一般社団法人CiP協議会

外装

低層部には「竹芝新八景」をテーマに、生物多様性保全に関する取り組みが行われています。8層の「ステップテラス」は、緑豊かな立体広場を形成しています。高層部のファサードは、海側に対して大きく開放されており、旧芝離宮恩賜庭園や浜離宮恩賜庭園とは調和するよう、水平基調のデザインが採用されています。全体はPC板による門型フレームで構成され、ボリューム感の軽減とシンボルタワーとしての象徴性を両立させています。

防災機能

オフィスタワーは津波避難ビルとしての機能も備えており、東京湾内湾に津波警報が発令された際には、2階から3階のステップテラスが緊急避難場所として開放され、最大1170人を収容可能です。

レジデンスタワーの詳細

レジデンスタワーは、閑静な海側に位置し、総戸数182戸の賃貸マンションです。レジデンス、プレミアムレジデンス、サービスアパートメント、シェアハウスで構成されています。1階には、ライクアカデミーが運営する保育園が入居しています。

このタワーは、海を背に大空にたなびく「帆」をモチーフにした「Creative Sail」をコンセプトとしています。竹芝を、国際的で多様な価値観を持つ人々が交流する場所として再生し、クリエイティブな賑わいをもたらすことを目指して、外装、インテリア、ランドスケープがデザインされています。

まとめ

東京ポートシティ竹芝は、過去の歴史と現代の技術が融合した複合施設であり、都市再生のモデルケースとして注目されています。オフィス機能だけでなく、住宅、商業施設、文化施設を併せ持ち、地域全体の活性化に貢献しています。スマートビル技術や防災機能など、多岐にわたる要素が組み込まれており、新しい時代のニーズに応える施設として、今後の発展が期待されます。

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