東京学芸大学附属国際中等教育学校
東京学芸大学附属国際中等教育学校は、東京都練馬区東大泉に所在する、国立大学法人東京学芸大学が設置する附属の中等教育学校です。略称はTGUISS。
概要
この学校は、かつて存在した東京学芸大学附属大泉中学校と附属高等学校大泉校舎を統合・再編する形で、2007年4月1日に開校しました。国際的な教育に重点を置いており、国際バカロレア（IB）の認定校として、2010年にはMYP（Middle Years Programme）、2015年にはDP（Diploma Programme）の認定を受けました。これにより、MYPからDPへの一貫したIB教育を実践する、国公立学校としては国内初の学校となりました。IBディプロマの取得は、海外の大学進学における有効な卒業要件ともなります。
また、2011年1月には持続可能な開発のための教育（ESD）に関する相互研究を目的とするユネスコスクールに加盟。2014年3月にはスーパーサイエンスハイスクール（SSH）およびスーパーグローバルハイスクール（SGH）アソシエイトの指定を受けるなど、国の定める教育プログラムにも積極的に参加しています。
生徒構成は多様性に富んでいます。第1学年の定員105名は、附属大泉小学校からの内部進学者、海外からの帰国生および外国籍生徒、国内の小学校からの一般入学者がおよそ3分の1ずつを占めます。学年の途中でも帰国子女を対象とした編入学試験が年2回行われ、卒業時には生徒数が130〜135名程度になり、特に後期課程では帰国生が半数近くを占める特徴があります。
後期課程（高校相当）では単位制が採用されており、卒業には80単位以上の修得が求められます。
教育方針
学校は「多様で異なる人々と、共生・共存でき、進展する内外の国際化の中で、活躍する力を持った生徒を育てる」ことを目指しています。教育理念として、グローバルな視野の育成、多文化共生の教育、多様性と共通の価値・ルールの確立、社会参加を通した市民性の育成などを掲げています。教育目標は、「世界に生きる学力と教養」「多様な表現やコミュニケーション能力」「知・心・身体のバランス」「多様性の認識と寛容性（トレランス）」を育むことに置かれています。求める生徒像は、現代的な課題を読み解き、知識を再構成し、対話を通じて関係を築き、異文化への寛容性を持つ生徒です。
教育課程とカリキュラム
本校は3学期制、週5日制で、8時30分に始業します。授業は1コマ50分です。
カリキュラムの核となるのはIB教育で、1年から4年生はMYP、5・6年生では希望者がDPを履修します。
独自の取り組みとして、全学年に学校設定科目「国際教養」を設けています。これは、総合的な学習/探究の時間、学級活動、道徳を再編成したもので、「国際理解」「人間理解」「理数探究」の三本柱で構成され、授業や校外学習を通じて探究を深めます。
また、英語以外の科目も英語で学ぶ外国語による授業を導入しています。前期課程では「Learning in English」（LE）や「IM（イマージョン）」があり、後期課程でも公共、数学、科学、歴史、政治・経済、物理などでIM科目を選択できます。
カリキュラムの特色としては、1～4年次の独自の数学カリキュラム、4年次におけるMYPの集大成としての個人研究「Personal Project（PP）」、4・5年次での第二外国語（フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国・朝鮮語）の開講などが挙げられます。ただし、DPにおいて理数科目のHL（ハイヤーレベル）が設定されていないため、国内大学の理系学部や一部海外大学への出願に影響がある場合があります。
日本語を母語としない生徒のために、日本語指導（JSL）や日本語理解の授業も提供されています。
学校生活
クラスは1クラス30名程度で、毎年クラス替えがあります。英語（1年から）と数学（4年から）では習熟度別の少人数クラス編成が行われます。5・6年生のDP履修は選抜試験ではなく、学習状況や適性などを考慮して決定されます。DP履修生も一般プログラム生と混成クラスとなり、DP授業時のみ別で学習します。DPを選択しない生徒も、IM科目を履修するなどして海外大学に挑戦しています。
国際交流も活発で、海外からの短期・長期留学生を多数受け入れています。当校からも多くの生徒が留学しており、特に4年次から5年次にかけて1年間の留学をする生徒が多いです。留学期間中の単位が認められる制度があり、6年での卒業が可能です。
SSH/SGH指定校として、探究活動も盛んです。校内研究コンテスト「ISSチャレンジ」には生徒の約3分の1が参加し、活発な研究発表が行われています。2024年度からは部門分けが文理融合型に変更されました。
主な行事
年間を通じて様々な行事が行われます。6月には校庭で「スポーツフェスティバル」（SpF）が、9月には2日間にわたり一般公開もされる「スクールフェスティバル」（SF）が開催されます。SFは学習の延長として位置づけられ、特に前期課程では国際教養と関連した展示や発表が行われます。
また、1年生の富士、3年生の沖縄、5年生のタイ（または国内）でのワークキャンプ（WC）は、国際教養の重要な一環として実施されます。その他、マラソン大会、生徒会行事、各教科のフィールドワークなどがあります。
部活動
部活動は、5名以上の部員と顧問がいれば設立可能です。前期・後期課程それぞれに多様な部活動があり、サッカー部、野球部、テニス部、バスケットボール部、陸上競技部、バドミントン部、バレーボール部、ダンス部、水泳部、棋道部、管弦楽部、音楽部、美術部、ボランティア部、科学部などが活動しています。過去には、水泳部が全国大会、陸上部が関東大会、硬式・軟式野球部や硬式テニス部が都大会に出場するなど、実績も上げています。軟式野球部は2021年に硬式から変更され、演劇部は2024年度から活動を再開しました。
設備・施設
敷地内には、グラウンド、複数のテニスコート、体育館2棟、武道場、プールなど充実した運動施設があります。グラウンドや一部コートは近年人工芝化されました。2009年に完成したC棟には、豊富な蔵書を誇る総合メディアセンターやICTルームが設けられています。N棟とC棟にはエレベーターがありますが、W棟には設置されていません。また、体育館にエアコンがないなどの課題も存在します。
交通アクセス
西武池袋線大泉学園駅から徒歩またはバスでアクセス可能です。その他、JR中央線阿佐ケ谷駅・荻窪駅・西荻窪駅、西武新宿線上井草駅・上石神井駅、JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅、西武新宿線武蔵関駅などからもバス便が利用できます。
著名な関係者
教職員経験者には作曲家の松井孝夫氏が、卒業生には登山家の南谷真鈴氏、アナウンサーの海老原優香氏、モデルの阿部なつき氏などがいます。
本校は、国際バカロレア教育を軸に、多様な背景を持つ生徒が集まり、探究活動や国際交流を通じてグローバル社会で活躍できる人材育成を目指しています。
概要
この学校は、かつて存在した東京学芸大学附属大泉中学校と附属高等学校大泉校舎を統合・再編する形で、2007年4月1日に開校しました。国際的な教育に重点を置いており、国際バカロレア（IB）の認定校として、2010年にはMYP（Middle Years Programme）、2015年にはDP（Diploma Programme）の認定を受けました。これにより、MYPからDPへの一貫したIB教育を実践する、国公立学校としては国内初の学校となりました。IBディプロマの取得は、海外の大学進学における有効な卒業要件ともなります。
また、2011年1月には持続可能な開発のための教育（ESD）に関する相互研究を目的とするユネスコスクールに加盟。2014年3月にはスーパーサイエンスハイスクール（SSH）およびスーパーグローバルハイスクール（SGH）アソシエイトの指定を受けるなど、国の定める教育プログラムにも積極的に参加しています。
生徒構成は多様性に富んでいます。第1学年の定員105名は、附属大泉小学校からの内部進学者、海外からの帰国生および外国籍生徒、国内の小学校からの一般入学者がおよそ3分の1ずつを占めます。学年の途中でも帰国子女を対象とした編入学試験が年2回行われ、卒業時には生徒数が130〜135名程度になり、特に後期課程では帰国生が半数近くを占める特徴があります。
後期課程（高校相当）では単位制が採用されており、卒業には80単位以上の修得が求められます。
教育方針
学校は「多様で異なる人々と、共生・共存でき、進展する内外の国際化の中で、活躍する力を持った生徒を育てる」ことを目指しています。教育理念として、グローバルな視野の育成、多文化共生の教育、多様性と共通の価値・ルールの確立、社会参加を通した市民性の育成などを掲げています。教育目標は、「世界に生きる学力と教養」「多様な表現やコミュニケーション能力」「知・心・身体のバランス」「多様性の認識と寛容性（トレランス）」を育むことに置かれています。求める生徒像は、現代的な課題を読み解き、知識を再構成し、対話を通じて関係を築き、異文化への寛容性を持つ生徒です。
教育課程とカリキュラム
本校は3学期制、週5日制で、8時30分に始業します。授業は1コマ50分です。
カリキュラムの核となるのはIB教育で、1年から4年生はMYP、5・6年生では希望者がDPを履修します。
独自の取り組みとして、全学年に学校設定科目「国際教養」を設けています。これは、総合的な学習/探究の時間、学級活動、道徳を再編成したもので、「国際理解」「人間理解」「理数探究」の三本柱で構成され、授業や校外学習を通じて探究を深めます。
また、英語以外の科目も英語で学ぶ外国語による授業を導入しています。前期課程では「Learning in English」（LE）や「IM（イマージョン）」があり、後期課程でも公共、数学、科学、歴史、政治・経済、物理などでIM科目を選択できます。
カリキュラムの特色としては、1～4年次の独自の数学カリキュラム、4年次におけるMYPの集大成としての個人研究「Personal Project（PP）」、4・5年次での第二外国語（フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国・朝鮮語）の開講などが挙げられます。ただし、DPにおいて理数科目のHL（ハイヤーレベル）が設定されていないため、国内大学の理系学部や一部海外大学への出願に影響がある場合があります。
日本語を母語としない生徒のために、日本語指導（JSL）や日本語理解の授業も提供されています。
学校生活
クラスは1クラス30名程度で、毎年クラス替えがあります。英語（1年から）と数学（4年から）では習熟度別の少人数クラス編成が行われます。5・6年生のDP履修は選抜試験ではなく、学習状況や適性などを考慮して決定されます。DP履修生も一般プログラム生と混成クラスとなり、DP授業時のみ別で学習します。DPを選択しない生徒も、IM科目を履修するなどして海外大学に挑戦しています。
国際交流も活発で、海外からの短期・長期留学生を多数受け入れています。当校からも多くの生徒が留学しており、特に4年次から5年次にかけて1年間の留学をする生徒が多いです。留学期間中の単位が認められる制度があり、6年での卒業が可能です。
SSH/SGH指定校として、探究活動も盛んです。校内研究コンテスト「ISSチャレンジ」には生徒の約3分の1が参加し、活発な研究発表が行われています。2024年度からは部門分けが文理融合型に変更されました。
主な行事
年間を通じて様々な行事が行われます。6月には校庭で「スポーツフェスティバル」（SpF）が、9月には2日間にわたり一般公開もされる「スクールフェスティバル」（SF）が開催されます。SFは学習の延長として位置づけられ、特に前期課程では国際教養と関連した展示や発表が行われます。
また、1年生の富士、3年生の沖縄、5年生のタイ（または国内）でのワークキャンプ（WC）は、国際教養の重要な一環として実施されます。その他、マラソン大会、生徒会行事、各教科のフィールドワークなどがあります。
部活動
部活動は、5名以上の部員と顧問がいれば設立可能です。前期・後期課程それぞれに多様な部活動があり、サッカー部、野球部、テニス部、バスケットボール部、陸上競技部、バドミントン部、バレーボール部、ダンス部、水泳部、棋道部、管弦楽部、音楽部、美術部、ボランティア部、科学部などが活動しています。過去には、水泳部が全国大会、陸上部が関東大会、硬式・軟式野球部や硬式テニス部が都大会に出場するなど、実績も上げています。軟式野球部は2021年に硬式から変更され、演劇部は2024年度から活動を再開しました。
設備・施設
敷地内には、グラウンド、複数のテニスコート、体育館2棟、武道場、プールなど充実した運動施設があります。グラウンドや一部コートは近年人工芝化されました。2009年に完成したC棟には、豊富な蔵書を誇る総合メディアセンターやICTルームが設けられています。N棟とC棟にはエレベーターがありますが、W棟には設置されていません。また、体育館にエアコンがないなどの課題も存在します。
交通アクセス
西武池袋線大泉学園駅から徒歩またはバスでアクセス可能です。その他、JR中央線阿佐ケ谷駅・荻窪駅・西荻窪駅、西武新宿線上井草駅・上石神井駅、JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅、西武新宿線武蔵関駅などからもバス便が利用できます。
著名な関係者
教職員経験者には作曲家の松井孝夫氏が、卒業生には登山家の南谷真鈴氏、アナウンサーの海老原優香氏、モデルの阿部なつき氏などがいます。
本校は、国際バカロレア教育を軸に、多様な背景を持つ生徒が集まり、探究活動や国際交流を通じてグローバル社会で活躍できる人材育成を目指しています。
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