東京製綱

東京製綱株式会社について

東京製綱株式会社（とうきょうせいこう、英文社名：Tokyo Rope Mfg. Co., Ltd.）は、東京都江東区に本社を置く、ワイヤーロープやスチールコードなどを製造するメーカーです。ワイヤーロープの国内最大手であり、つり橋や超高層エレベーター向けが主力製品となっています。

事業内容

主な事業内容は以下の通りです。

ワイヤーロープ、ワイヤー、スチールコードの製造
エンジニアリング事業
炭素繊維ケーブルの製造
ワイヤー製品に関する機械の販売
その他金属繊維の製造

沿革

東京製綱は、明治時代に艦船用のマニラ麻ロープの国産化を目指して設立されました。設立には渋沢栄一が協力し、初代会長に就任しています。また、初代社長には沼津兵学校教授や東京外国語学校校長を務めた英学者・翻訳家の渡部温が就任しました。日本製鉄とは、ロープの素材が繊維から鉄に移行する中で関係を深め、長らく日本製鉄が筆頭株主となっていました。しかし、2021年に日本製鉄が株式公開買い付け（TOB）を実施した際、公正取引委員会から競争維持のために事業活動が制限される可能性を指摘され、一部保有株を売却することになりました。

主な出来事は以下の通りです。

1887年（明治20年）：東京製綱会社設立
1893年（明治26年）：現社名に変更（商法制定による）
1896年（明治29年）：東京証券取引所に上場
1906年（明治39年）：月島製鋼を合併
1968年（昭和43年）：繊維ロープ製造部門を東京製綱繊維ロープ株式会社として設立
1970年（昭和45年）：東京製綱スチールコード株式会社、株式会社東綱機械製作所を設立。富士製鐵が資本参加
1971年（昭和46年）：大阪ロープ工業株式会社を合併
1985年（昭和60年）：日鐵ロープ工業株式会社を合併
2001年（平成13年）：東綱商事株式会社を合併
2007年（平成19年）：東京製綱スチールコード株式会社を合併
2009年（平成21年）：株式会社東綱機械製作所を合併
2013年（平成25年）：新設分割により、スチールコード製造事業・産業用機械製造事業を東綱スチールコード株式会社・東綱機械株式会社（2016年解散）にそれぞれ承継
2017年（平成29年）：新設分割により、炭素繊維複合材事業・海外防災製品事業を東京製綱インターナショナル株式会社に継承

事業所所在地

本社：東京都江東区永代2-37-28
支店：
鋼索鋼線事業部：関西支店（大阪市）、エンジニアリング事業部：大阪支店（大阪市）、名古屋支店（名古屋市）、九州支店（北九州市）、札幌支店（札幌市）、盛岡支店（盛岡市）、仙台支店（仙台市）
営業所：
鋼索鋼線事業部：札幌営業所（札幌市）、名古屋営業所（名古屋市）、四国営業所（丸亀市）、九州営業所（北九州市）、エンジニアリング事業部：長野営業所（長野市）、新潟営業所（新潟市）、広島営業所（広島市）、鹿児島営業所（鹿児島市）
エンジニアリングセンター：
東日本エンジニアリングセンター（土浦市）、関西エンジニアリングセンター（貝塚市）、北九州エンジニアリングセンター（北九州市）
工場：
土浦工場・研究所（かすみがうら市）、堺工場（堺市）
その他：バンコクに事務所

関係会社

国内外に多数の関係会社があります。

国内
東京製綱繊維ロープ株式会社
東綱スチールコード株式会社
東綱橋梁株式会社
赤穂ロープ株式会社
日本特殊合金株式会社
東綱商事株式会社
株式会社新洋
トーコーテクノ株式会社
長崎機器株式会社
東綱ワイヤロープ販売株式会社
東京製綱テクノス株式会社
北海道トーコー株式会社
日綱道路整備株式会社
東京製綱インターナショナル株式会社
海外
東京製綱（上海）貿易有限公司
東京製綱（香港）有限公司
東京製綱ベトナム有限責任会社
東京ロープエンジニアリング有限会社
東京ロープアルマティ有限責任会社
Tokyo Rope USA, Inc.
江蘇東綱金属製品有限公司
江蘇法爾勝纜索有限公司

ナイロンザイル事件

1950年代に発生した登山用ロープ（ナイロンザイル）の安全性を偽装した事件です。当時、東京製綱を含む各メーカーが製造していたナイロンザイルは、岩角に引っかかると耐荷重が著しく低下する特性があり、登山事故の原因となっていました。東京製綱は公開実験で岩角に丸みを付け、耐荷重を偽装しました。この事件によって安全基準制定が遅れ、多くの登山家が命を落としました。東京製綱はナイロンザイルの欠陥を認めていますが、被害者や遺族への謝罪は未だに行われていません。

関連項目

渋沢財閥
渡部温
渡部朔
赤松範一
渋沢信雄
いこらもーる泉佐野

外部リンク

* 東京製綱株式会社

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