東京都総務局

東京都総務局は、東京都庁を運営する上で、その基盤となる様々な機能を担う重要な部署です。政策企画局や財務局と並んで、都政全体を統括する官房系の局として位置づけられています。主な役割は、都庁の内部管理や事務の統一的な処理、複数の局にまたがる事業の連絡調整、区市町村の行財政運営への助言や連携強化、そして特定の事業を直接実施することにあります。

総務局はその多様な役割を果たすために、いくつかの専門部署で構成されています。

総務部：局全体の運営や都庁の総務事務を統括します。条例の立案、法規の解釈、文書管理、公文書の開示や個人情報に関する調整など、広範な業務を担当します。また、行政訴訟や民事訴訟への対応、行政不服申立の審理、損害賠償や和解に関する事務、法的な助言提供など、都政の法務関連業務も担っています。

復興支援対策部：東日本大震災からの復興を支援するため、被災した県への協力や、都内に避難されている方々への支援に関する連絡調整を行います。

人事部：東京都の職員に関するあらゆる人事管理を担当します。職員の任免、服務、研修、定員管理といった計画・実施・調整を行うほか、他の任命権者との総合調整も行います。また、職員の給与や勤務時間といった基本的な労働条件の検討、職員団体との交渉窓口、労務管理全般に加え、職員が安心して働けるように、住宅、福利厚生、健康管理、公務災害補償などの支援制度も整備・運営しています。

コンプライアンス推進部：職員の服務規律を維持するための監察や、都の賠償責任に関する調査、外部監査への対応など、組織全体のコンプライアンス（法令遵守）強化に取り組みます。

行政部：都内の区市町村の運営を側面から支援します。行財政に関する助言や連携強化、地方分権の推進、地域振興計画の策定支援を行います。特に、多摩地域や島しょ地域の振興に関わる都の事業間の連絡調整や、小笠原諸島の振興開発計画の推進などを担当しています。また、これらの地域には支庁（大島、三宅、八丈、小笠原）が設置されており、地域の行政を担っています。

総合防災部：都民の安全を守るため、危機管理の中枢を担います。災害発生時の情報収集・分析、防災計画や復興計画の策定、防災に関する調査研究、都民への防災情報の周知啓発（例：「東京都防災ホームページ」の運営）、そして災害発生時の応急対策の実施を行います。防災無線や消防に関する事務、さらには埼玉県、千葉県、神奈川県などを含む9都県市との広域的な防災・危機管理連携も推進しています。国民保護法に基づき、テロやゲリラ、NBC攻撃といった特殊な事態への対処も任務に含まれ、警視庁や東京消防庁、自衛隊などからの派遣職員と連携して有事に備えています。主要な拠点として、コマンドルームやオペレーションルーム機能を備えた東京都防災センターや立川地域防災センターを設置しています。

統計部：都政運営や都民生活に必要な統計情報を収集・分析・提供します。各種統計調査の実施やデータの加工・分析を行い、都庁内部、区市町村、そして一般都民に向けて統計情報を提供しています。統計データの収集・貸出、統計相談、都全体での統計調査の実施状況の把握や効率化に向けた調整なども行っています。

人権部：すべての都民の人権が尊重される社会の実現を目指し、人権施策の企画立案や調整、人権尊重の理念の普及啓発、研修、人権問題に関する相談対応など、人権に関する総合的な施策を推進します。かつては同和問題への対応を巡り、不当な要求や介入、職員への暴力といった問題に直面した歴史を持つなど、困難な経緯を経て現在に至っています。

東京都総務局は、これらの多様な部署が連携することで、都政の円滑な運営と都民の安全・安心な暮らしを支えています。また、関連団体として、人権啓発や島しょ振興、職員支援などを行う組織とも連携しています。

関連団体としては、公益財団法人東京都人権啓発センターや公益財団法人東京都島しょ振興公社（政策連携団体）、株式会社田無タワーや一般財団法人東京都人材支援事業団（報告団体）などがあります。これらの団体とも協力しながら、総務局の担う様々な政策分野において事業を推進しています。

このように、東京都総務局は都庁の内部的な機能から、防災、地域支援、人権、統計といった多岐にわたる分野で中心的な役割を果たしており、都政の基盤を支える要となっています。

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