東北電力ネットワーク

東北電力ネットワーク株式会社

東北電力ネットワーク株式会社（とうほくでんりょくネットワーク）は日本で一般送配電事業を行う企業で、主に東北地方の6県と新潟県を供給対象地域としています。会社の本社は宮城県仙台市にあり、東北電力の完全子会社としてその使命を果たしています。一般的には「東北電力NW」や「東北電ネット」と略称されていることもあります。

概要

この会社は、送電線、変電所、配電線などの送配電網を維持・運用しながら、発電事業者や小売電気事業者に送配電サービスを提供しています。2016年に実施された電力システム改革によって、地域独占の送配電業務は中立な立場からの運営が求められ、2020年4月より、従来の東北電力から当社へ送配電事業が移管されました。

事業内容

一般送配電事業

東北6県と新潟県を対象に、79,531平方キロメートルという広大な供給区域を擁し、国内の送配電事業者の中で最も大きな規模を誇ります。以下の業務を展開し、地域の電力供給を支えています。

1. 送配電網の維持：1万5千キロメートルを超える送電線や、636箇所の変電所、15万キロメートル近い配電線を維持し、故障時の復旧作業も行います。

2. 系統運用：電力系統の周波数と電圧を安定させるため、発電や送電、需要の状態を監視し、電力の発生と流通を制御しています。

3. 託送供給：電気の受け入れ地点と供給地点を設定し、小売電気事業者からの託送料金を受け取ります。

4. 最終保障供給：供給が受けられない需要家への電気販売を実施します。

5. 離島供給：飛島、粟島、佐渡島などの離島へも直接電気を供給し、需要に応じたサポートを行います。

設備とネットワーク

2023年3月末時点で、送電設備は15,506キロメートル、変電所は636箇所、配電設備は149,517キロメートルと、膨大なインフラを誇ります。特に、500kV送電線を東通原子力発電所から東京電力へと接続する系統が重要な役割を果たしています。また、北海道との連系にも直流連系機能を持ち、高い送電能力を発揮しています。

近年の動向

スマートメーターの導入により、2024年3月末までに680万台のメーターが交換され、遠隔での管理が可能になりました。また、再生可能エネルギーに関する出力制御の必要性が高まり、2022年には初の出力制御が行われました。さらに、宮城中央変電所と南いわき開閉所を結ぶ新たな500 kV送電線が建設中であり、電力供給能力のさらなる拡大が期待されています。

このように、東北電力ネットワーク株式会社は地域の電力供給の安定性と持続可能性を追求し、様々な取り組みを進めています。

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