東浜駅

東浜駅（ひがしはまえき）

東浜駅は、鳥取県岩美郡岩美町に位置する西日本旅客鉄道（JR西日本）の山陰本線の駅です。駅は陸上の字下塚畑という場所にあり、周辺には美しい日本海が広がっています。この駅の歴史は興味深く、地域住民の努力と願いが込められています。

歴史

山陰本線は1911年に開通しましたが、当初は東浜駅は存在しておらず、隣接する岩美駅と居組駅のみが設置されていました。その結果、地元住民は両駅まで歩いて移動するしかなく、便利な交通手段を求めて何度も駅の新設を訴え続けました。しかし、採算性の理由からその希望は実現しませんでした。

第二次世界大戦後、地元の村長であった岡田光治氏が国鉄への請願を繰り返し、ついに1949年に仮乗降場として開設され、1950年には正式な駅へと昇格しました。

駅が設置されると、地域は大きな変化を遂げました。主に京阪神や山陽地方からの訪問者で賑わい、臨海学校の子供たちが多く集まりました。最盛期には、60軒にも及ぶ民宿に加えて、バーやパチンコ店が営業するなど活気を呈しました。しかし、モータリゼーションの進展に伴い、一時は利用者が減少し、1972年には無人駅となってしまいました。

近年では、2017年に運行が始まったクルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が、東浜駅を観光地として利用しました。この動きをきっかけに、地元住民たちは「株式会社東浜」を設立し、駅周辺の整備や観光資源の活用を進めています。

新駅舎の設計には車両監修を行った浦一也氏が関わっており、2017年4月には新しい駅舎が完成しました。これにより、ステンレスの鏡面仕上げの天井や、広々とした透明ガラスの待合室が特徴的な空間が生まれました。駅前広場やトイレの整備、旧保育所を改修したレストラン「AL MARE」の開設も行われ、観光客の利用に対応するための体制が整えられました。

駅構造

東浜駅は2面2線の相対式ホームを持ち、列車の交換が可能な地上駅です。信号機が設置されており、列車のスムーズな運行が確保されています。ホーム間は跨線橋で繋がっており、安全な乗り降りができるようになっています。

この駅は鳥取県内で最北端の駅であり、また中国地方の最北端でもあります。地元では、非常時には折り返し列車を運行するなど、柔軟な対応をしていることも特徴です。

利用状況

駅周辺は日本海に面しており、東浜海水浴場として利用できる海岸が広がっています。また、羽尾鼻と呼ばれる岬には竜神洞も存在し、自然の美しさを楽しめます。陸上川が日本海に流れ込む位置にあり、この川を越えると兵庫県が広がります。

隣の駅

• - JR西日本 山陰本線

- 居組駅 - 東浜駅 - 岩美駅

このように、東浜駅は開設以来地域の発展に貢献し続け、その歴史とともにユニークな地域文化を育んできました。

もう一度検索