松ノ馬場駅

松ノ馬場駅：比叡山への玄関口の歴史と現状

滋賀県大津市坂本エリアに位置する京阪電気鉄道石山坂本線「松ノ馬場駅」は、比叡山へのアクセス拠点として、長きに渡り地域住民や観光客に利用されてきた駅です。その歴史は昭和初期に遡り、幾多の変遷を経て現在の姿となっています。

開業から戦後までの歩み

1927年（昭和2年）5月15日、琵琶湖鉄道汽船山上線の一部区間として開業しました。同年8月には坂本駅（現在の坂本比叡山口駅）まで路線が延伸され、途中の停留場となりました。その後、会社合併を経て京阪電気鉄道の駅となり、太平洋戦争中には戦時体制下の影響を受け、一時的に単線化、さらには休止を余儀なくされるなど、激動の時代を経験しています。戦後の1949年には京阪電気鉄道への帰属が確定し、安定した運営が再開されました。

駅の変貌と現在の姿

1997年（平成9年）には、新たな乗降場が使用開始され、さらに同年中には穴太～坂本間の複線化が完了。これに伴い、駅は1面1線の単式ホームから、2面2線の相対式ホームへと生まれ変わりました。現在では、終日無人駅として運行されていますが、ICOCAやPiTaPaなどのICカード乗車券にも対応しており、利用者の利便性向上に配慮した設備が整えられています。駅舎はなく、ホームに直接アクセスするシンプルな構造です。上下線のホームとも出入口は坂本寄りとなっています。なお、かつて単線だった時代のホーム構造が、複線化の際に改修され、現在に受け継がれています。

駅の構造と周辺環境

松ノ馬場駅は地上駅で、2面2線の相対式ホームを有しています。ホーム有効長は2両分となっており、のりば番号は設定されていません。駅周辺は、比叡山への観光ルートに近接しており、旅館や土産物店、飲食店などが点在するエリアとなっています。静かな住宅街に隣接しており、落ち着いた雰囲気も魅力です。

アクセスと接続

松ノ馬場駅は、京阪石山坂本線穴太駅と坂本比叡山口駅の中間に位置しています。比叡山延暦寺へのアクセス拠点として、多くの観光客が利用しています。また、近隣にはバス路線も通っており、周辺地域への移動にも便利です。

まとめ

松ノ馬場駅は、歴史と変化に富んだ、比叡山への玄関口としての役割を担う駅です。戦時中の混乱期を乗り越え、現代ではICカード対応などの利便性向上も図られています。無人駅ながら、その存在感は大きく、地域の生活と観光を支える重要なインフラとして機能しています。今後も、比叡山へのアクセスを担う重要な駅として、その役割を継続していくことでしょう。

もう一度検索