松宏彰

松 宏彰（まつ ひろあき）

松 宏彰は、1969年11月21日に兵庫県神戸市で生まれた日本の映像作家、クリエイターです。主にCMディレクターや映像監督、広告プランナーとして活躍する傍ら、熱心なカレー愛好家（カレーキュレーター）としても知られ、その活動は多岐にわたります。

金沢大学文学部を卒業後、映像制作会社である株式会社ティー・ワイ・オーに入社し、CMディレクターとしてのキャリアをスタートさせました。特にデジタルメディア分野での活躍は目覚ましく、2002年にはウェブ広告作品でカンヌ国際広告祭サイバー部門において金賞を受賞。これはアジアのクリエイターとして初の快挙であり、国際的な評価を確立するきっかけとなりました。

映像監督としては、2003年に森ビルが制作し、押井守が監修を務めた短編映画『東京スキャナー』を手がけました。また、テレビアニメの世界でもその才能を発揮し、2007年にNHK教育テレビで放送された『やさいのようせい N.Y.SALAD』では総合演出と脚本を担当。キャラクターのモルドレイスの声も演じています。この作品は国内外のアニメーション映画祭で多くの賞や入選を果たし、高い評価を得ました。その他、『バスカッシュ！』の後期エンディング演出なども手がけています。

広告や映像の分野以外では、「カレー細胞」という名のブログを運営するほどの無類のカレー好きとして知られています。単なる「カレーマニア」に留まらず、イベントのプロデュースや各種メディアへの出演を通じて、カレー文化の普及にも貢献しています。その活動はテレビ番組「マツコの知らない世界」でドライカレーの世界を紹介するなど、幅広い層に注目されています。

これまでに手がけた作品は多岐にわたり、ショートフィルム、テレビドラマ、ウェブコンテンツ、ゲーム内の映像、そして数多くのテレビCMなどがあります。代表的なものとして、以下の作品が挙げられます。

映画/ショートムービー: 『東京スキャナー』（監督）、『東巨女子 TOKYO GIGANTIC GIRLS』（監督）、『東京音℃』（クリエイティブディレクター）、『とう と きょう』（クリエイティブディレクター）、『ナマハゲ、東京に現る。』（監督/編集/声の出演）、『トキノ交差』（企画/クリエイティブディレクター）、『電車を止めるな！』（アソシエイトプロデューサー）など。
テレビアニメ: 『やさいのようせい N.Y.SALAD』（総合演出/脚本/モルドレイス役）、『バスカッシュ！』（後期ED演出）。
テレビドラマ: NHK テレビ放送60周年『ミライテレビ60』（CD/演出）、TBS『ネコ戦隊びたたま』（脚本/監督/編集）。
ゲーム: 『水木しげるの妖怪図鑑』シリーズ（脚本/演出）、リアル脱出ゲーム関連のオリジナルアニメ監督多数。
Web: WWF絶滅動物キャンペーン（企画/演出）、SONY VAIO Webキャンペーン（演出）、インタラクティブWebアニメ『Attraction/魅力』（脚本参加）。
CM: コカコーラ、東京ディズニーシー、NTTグループ、森永製菓、NHKなどの企業・団体のCMを多数演出。

受賞歴も輝かしく、前述のカンヌ国際広告祭金賞のほか、東京インタラクティブアドアワードでの金賞、One Showでの金賞・銅賞など、広告賞を多数受賞しています。また、『東京スキャナー』や『やさいのようせい』、『東巨女子』、『歌舞伎町探偵セブン』は文化庁メディア芸術祭の審査委員会推薦作品や優秀賞に選ばれており、『やさいのようせい』は日本オタク大賞アニメディア賞や、多く国際アニメーション映画祭で評価されています。

映像、広告、アニメ、そしてカレーといった多様な領域で独自の活動を展開し、創造的な作品を生み出し続けているクリエイターです。

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