梅の花グループ

株式会社梅の花グループは、福岡県久留米市に本社を置く企業です。主にゆばや豆腐を用いた日本料理を提供するレストランチェーンを全国に展開しており、外食事業とテイクアウト事業を主軸としています。加えて、スパのプロデュースや運営も手掛けるなど、多角的な事業を展開しています。

同社の始まりは1976年に遡ります。創業者である梅野重俊氏が、当時25歳でカニ料理専門店の「かにしげ」を創業したのがその源流です。その後、法人としての基盤を固めながら「かにしげ」の展開を続けていましたが、創業から10年を経た1986年、現在の主力業態であり、社名にも冠されているゆば・豆腐料理の店「梅の花」の第1号店を福岡県久留米市に開店しました。この「梅の花」の誕生が、今日の同社事業の確固たる礎を築くことになります。「梅の花」ブランドはその後目覚ましい速度で店舗網を拡大し、2004年には北海道への進出を果たしました。これにより、1号店の出店からわずか18年で、沖縄を除く全国の主要な地域への展開を達成しています。近年では、経営基盤の強化と事業の活性化を目指し、組織再編に積極的に取り組んでいます。具体的には、新規出店の効果検証をより明確にするため、事業年度ごとに子会社を設立し、多数の飲食店舗を承継させるなどの施策を実施しています。また、M&A（企業の合併・買収）や海外市場への進出を通じて、さらなる事業規模の拡大にも力を入れています。そして、2025年5月1日には、これまでの株式会社梅の花という商号を、新たに株式会社梅の花グループへと変更しました。

同社の事業構造は、大きく二つの柱によって支えられています。一つ目の柱は外食事業部門です。ここでは主力ブランドである「梅の花」を中心に、過去にSRSホールディングスから事業譲渡を受けた「すし半」、その他「さくら水産」、「かにしげ」、「チャイナ梅の花」といった多様なジャンルの飲食店ブランドを展開しています。「梅の花」は同社の顔として全国に多数出店しています。二つ目の柱はテイクアウト事業部門です。こちらは、主に百貨店の地下食品フロアなどで展開する惣菜販売が中心となっており、「古市庵テイクアウト店」や「梅の花テイクアウト店」といったブランドで知られています。また、お歳暮やお中元などのギフト商品の通信販売も手掛けています。これらの主要事業に加え、前述の通りスパ事業も展開しています。

企業文化においては、顧客への親切で心温まるサービス、業務に対する責任感、そして従業員間の協力といった価値観を重視しています。また、全国の一部店舗には、人形作家として知られる夢童由里子氏の手掛けた作品が設置されており、店内の空間に独特の彩りを添えています。過去には、テレビ番組の提供スポンサーとしても活動していました。

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