横山泉

横山 泉（よこやま いずみ）

横山泉は、1924年1月1日に生まれた日本の地球科学者であり、その専門は主に火山学です。彼は長野県に生まれ、東京帝国大学第一工学部船舶工学科を中退した後、学制改革によって新設された東京大学理学部地球物理学科を卒業し、1951年には理学博士の学位を取得しました。初期のキャリアとして、東京大学地震研究所での経験を経て、1957年に北海道大学の助教授に就任。その後、1963年には教授に昇進し、1987年には退官しました。

退官後も、横山氏はメキシコ国立自治大学で客員教授を務め、1995年には日本学士院に選出されるなど、学界での影響力を持ち続けました。

火山研究の道

横山氏の火山研究は、特に三原山の噴火をきっかけに活発になりました。彼は火山の地下構造に関する研究に、重力異常の解析という新しい手法を導入し、その成果として火山活動に伴う地球磁場と重力場の変化に関する観測を成功させました。この成果は、地下構造を理解する上で大きな進展をもたらしました。また、1883年のクラカタウの噴火現地調査も行い、その貴重なデータを研究に生かしました。

さらに、横山氏は文部科学省の測地学審議会における噴火予知特別委員会の委員長を務めたり、国際火山学会の副会長としても活動するなど、さまざまな役職を歴任しました。1974年からは、無線テレメーター方式を用いた火山性地震の移動観測システムの開発に携わり、1975年の樽前山や1976年の有珠山で観測実験を行いました。

学術賞・栄典

横山氏は、その業績に対して多くの賞を受賞しています。1956年には田中舘賞を受賞し、1981年には日本学士院賞、1994年には勲三等瑞宝章を授与されました。これらの受賞は、彼の研究が火山学の分野において認められた結果であると言えます。

主要論文

横山氏は数多くの学術論文を発表しており、以下はいくつかの代表的なものです：

• - 「三原山の地球磁気学的研究」(東京大学地震研究所彙報, 1954年)
• - 「大島三原山の火山微動と潮汐との関係」(火山, 1957年)
• - 「噴火予知に関する手法」(火山, 1978年)
• - 「三宅島噴火に伴う地殻変動」(火山, 1984年)

これらの研究は、日本の火山学の進展に大きく寄与しており、今後の研究の基礎ともなっています。

彼の研究成果は、火山活動の理解を深める上で非常に重要であり、世界中の火山学者たちに多大な影響を与えています。横山泉氏は、その研究を通じて、地球科学分野における火山のメカニズム解明に貢献し続けています。

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