横浜市水道局

横浜市水道局の概要

横浜市水道局（Yokohama Waterworks Bureau）は、神奈川県横浜市において上水道と工業用水道を供給する地方公営企業です。水道局は、横浜市全域を網羅し、安心できる水の供給を約束しています。1885年に英国技師ヘンリー・スペンサー・パーマーの指導のもとに設立され、日本で最初の近代水道として1887年に運営が始まりました。

創設の歴史

初期の取り組み

1885年、横浜市水道局は神奈川県知事によって設立され、相模川と道志川を水源として水道の建設が始まりました。1887年には水道給水が開始され、当時は水道に関する法律も整備されていませんでした。1889年4月には市制施行に伴い横浜市が誕生し、その後、1890年には水道条例が制定され、横浜市が水道事業を運営することとなりました。1952年には地方公営企業法が施行され、横浜市水道局は独立採算制に移行しました。

現在の状況

2014年度の横浜市の人口は3,712,170人、世帯数は1,809,034世帯でした。これに対し、供給人口は3,712,122人、供給戸数は1,809,013世帯となっており、普及率はほぼ100%に達しています。年間の給水量は417,284,300立方メートルに上ります。水道局の本庁舎は、新市庁舎の開業に伴い、移転して新たな場所に現存しています。

主な施設

浄水場の役割

横浜市には、川井浄水場、西谷浄水場、小雀浄水場、鶴ケ峰浄水場など、複数の浄水場があります。川井浄水場は1897年から1901年にかけて整備され、現在も稼働中です。西谷浄水場は1915年に開設され、現在も重要な水源として機能しています。小雀浄水場は1965年に竣工し、横須賀市と共同で運営されています。

健康と安全への取り組み

浄水場は、セラミック膜ろ過技術の導入など、最新の水処理技術を通じて安全で清潔な飲料水を確保しています。特に川井浄水場は、日本最大の規模のセラミック膜ろ過施設を持ち、再整備においても民間企業との連携を図りました。

配水池と導水路

浄水場に併設された配水池は、全市にわたる安定供給の基盤を支えています。また、自然流下式の導水路を活用し、エネルギーコストを削減する取り組みも行っています。

環境への配慮

横浜市は、道志川の水源涵養林を整備し、持続可能な水源管理を実施しています。この森林は、水源の環境保全にも寄与しており、地域との友好関係を築くため、様々な取り組みを進めています。

災害時の対応

横浜市水道局では、災害時に備えた飲料水の確保に力を入れています。最新の計画によれば、配水池の耐震化率は92%に達し、大規模な災害時でも370万人以上の住民に対して、十分な水の供給が可能となるよう整備が進められています。

財政および組織構成

横浜市水道局は、安定した運営を見込み、収益的収入と支出を管理しています。組織は総務部、経営部、各事業部に分かれ、効率的なサービスを提供する体制を整えています。横浜市の水道局は、今後も市民に信頼される水道サービスを続けていくことでしょう。

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