横浜海上防災基地

横浜海上防災基地は、神奈川県横浜市中区新港に所在する海上保安庁の重要な拠点です。この基地は、平時には横浜海上保安部などの庁舎として利用されるほか、各種訓練や研究活動の場としても機能しています。

しかし、その真価は大規模な海上災害が発生した際に発揮されます。巡視船や航空機を駆使した災害応急対策活動の中核拠点として、迅速かつ的確な対応を可能にしています。この基地の存在は、日本の海上における安全保障に不可欠な要素と言えるでしょう。

また、基地内には「海上保安資料館 横浜館」（通称：工作船展示館）が併設されており、一般公開されています。この資料館では、2001年12月22日に発生した九州南西海域工作船事件で使用された北朝鮮の工作船が展示されています。この工作船は、事件当時、東シナ海で自爆・沈没した後に引き上げられたもので、その生々しい姿は、当時の緊迫した状況を今に伝えています。

展示されている工作船には、工作員が使用していた武器も含まれています。ただし、これらの武器は、検証作業が終了した後、安全化処理として銃身の内部や雷管が破壊されており、武器としての機能は完全に失われた状態で展示されています。これは、安全確保と同時に、事件の教訓を後世に伝えるための措置と言えるでしょう。

横浜海上防災基地の立地は、みなとみらい地区の1街区にあたりますが、横浜港新港埠頭の海側に位置しているため、商業地域からは少し離れた場所にあります。この静かな環境が、基地としての活動を円滑に進める上で重要な役割を果たしています。

海上保安資料館 横浜館（工作船展示館）の公開時間は、午前10時から午後5時まで（最終受付は午後4時30分）です。休館日は毎週月曜日（月曜日が祝日の場合は翌平日）と年末年始（12月29日から1月3日）です。ただし、臨時休館となる場合もあるため、訪問の際は事前に第三管区海上保安本部のウェブサイトで最新情報を確認することをおすすめします。入館料は無料ですので、気軽に訪れることができます。

アクセス方法

公共交通機関を利用する場合、以下の方法があります。

電車:
横浜高速鉄道みなとみらい線：「馬車道駅」または「日本大通り駅」から徒歩約8分
JR根岸線：「桜木町駅」から徒歩約17分
横浜市営地下鉄：「桜木町駅」から徒歩約17分
横浜市営バス:
「赤レンガ倉庫バス停」から徒歩約2分
シーバス:
「ピアあかれんが」から徒歩約2分
自動車:
首都高速横羽線を利用し、「みなとみらい」または「横浜公園」出口からアクセスできます。

工作船ギャラリー

資料館内には、工作船の様々な角度からの写真や、回収された物品を展示したギャラリーがあります。これらの展示を通じて、事件の真相や工作船の実態についてより深く理解することができます。訪れる際には、ぜひギャラリーにも足を運んでみてください。

外部リンク

海上保安資料館横浜館 - 海上保安庁

この横浜海上防災基地と海上保安資料館は、日本の海上保安活動と安全保障の重要性を伝える貴重な場所です。一度訪れて、その歴史と役割について学んでみてはいかがでしょうか。

もう一度検索