正規空母

正規空母の概要

正規空母は、航空母艦の中でも特に主力艦として位置づけられる種類です。これに対し、改造空母や軽空母、護衛空母など、様々な形態の空母が存在しますが、正規空母はその中で最も大きな戦力を持つ艦とされています。

大日本帝国海軍の正規空母

日本軍では、航空母艦を「空母」と「特設航空母艦」に分け、さらに内部での人事や艦政上の扱いも区別していました。特に、艦長の地位が戦艦の艦長と同等とされる大型空母を重視し、排水量25,000トン以上の艦に特別な待遇を与える方針が整えられていました。代表的な正規空母には「赤城」「加賀」などが含まれ、その後も台湾沖航空戦やレイテ沖海戦などの重要な戦闘において報告が行われ、戦艦としての役割を果たしました。

アメリカ海軍の正規空母

アメリカ海軍でも、正規空母の分類は進化しました。当初は空母に対して細かい形式を設けることなく統合的に扱われていましたが、第二次世界大戦中に商船を改造した小型・低速の護衛空母が必要とされ、別の分類が生まれました。次第に大型艦としてミッドウェイ級が新設され、さらにCVB、CVLといった分類が細分化されていきました。このように、様々な需要や戦略に応じて正規空母の定義やその役割が変化していきました。

イギリス海軍の正規空母

イギリス海軍では、1938年に「アーク・ロイヤル」が正規空母として竣工し、その後も防御を強化したイラストリアス級などが建造されました。しかし、第二次世界大戦の開始により、急速に需要が高まり、その結果として軽空母の建造にシフトすることとなりました。その後、戦局が安定する中で新たな大型艦隊空母の建造が計画されたものの、運用が終了され、イギリス海軍には一時的に空母的役割の中断が訪れます。ただ、艦載ヘリコプターの搭載を想定した護衛空母が発展し続け、新たにインヴィンシブル級などが運用されました。

正規空母の現代

現在でも、正規空母は海軍の戦略において重要な役割を担っています。技術の進展により性能が向上し、対艦戦や空中戦など、様々な戦局に対応できる能力を持っています。また、既存の空母の設計や機能が進化し、サポート艦や補助艦艇との協力が活発化しています。正規空母は、海軍の戦力として今後もその重要性が増すことでしょう。

参考文献

• - 中川務「日本航空母艦史」
• - 福井静夫『世界空母物語』
• - 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書』など

このように、正規空母は世界の海軍において不可欠な存在です。各国の戦略や考え方が反映された正規空母は、これからも様々な軍事的役割を担っていくことでしょう。

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