毛内拡

毛内拡（もうない ひろむ）

毛内拡氏は、1984年生まれの日本の脳科学者、神経科学者、生物学者です。東京工業大学で博士号（理学）を取得後、理化学研究所での研究員を経て、現在は、お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系で助教を務め、生体組織機能学研究室を主宰しています。大学での教育活動に加え、脳科学に関する一般向けの著作を多数執筆しており、その知見を広く社会に発信しています。

研究と教育活動

毛内氏は、脳科学の中でも特にグリア細胞に着目した研究を行っています。グリア細胞は、脳を構成する重要な細胞でありながら、長らく研究対象として注目されてきませんでしたが、近年になってその多岐にわたる機能が明らかになってきました。毛内氏の研究は、このグリア細胞の働きを解明することで、脳の機能や病気の理解を深めることを目指しています。

また、毛内氏は大学で生物学を教えるだけでなく、一般向けの書籍やメディア出演を通して、脳科学の面白さや重要性を伝えています。難しい専門用語を避け、わかりやすい言葉で脳の仕組みや働きを解説することで、多くの人に脳科学への興味を持ってもらうことを目指しています。

著作活動

毛内氏は、脳科学に関する多数の著書を執筆しています。これらの著書は、一般の読者にもわかりやすく、脳の仕組みや機能、そして脳科学の最新の研究成果を紹介しています。

主な著書には、

『脳を司る「脳」』（2020年）
『「気の持ちよう」の脳科学』（2022年）
『「頭がいい」とはどういうことか−脳科学から考える』（2024年）

などがあります。これらの著書は、脳科学の入門書として、また、日常生活における脳の活用法を知るためのヒントとして、多くの読者に支持されています。

また、翻訳書の監修や分担執筆など、幅広い分野で執筆活動を行っています。

メディア出演

毛内氏は、テレビやラジオなどのメディアにも積極的に出演し、脳科学の情報を一般に広める活動をしています。特に、日本テレビの「カズレーザーと学ぶ」では、脳科学の専門家として、わかりやすく解説することで、多くの視聴者から好評を得ています。

略歴

1984年：北海道函館市生まれ
2003年：函館ラ・サール高等学校卒業
2008年：東京薬科大学生命科学部生命科学科卒業
2013年：東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了
2010年-2013年：日本学術振興会特別研究員 (DC1)
2013年-2018年：理化学研究所脳科学総合研究センター研究員
2018年-現在：お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教

受賞歴

2021年：第37回講談社科学出版賞（『脳を司る「脳」』）

著作一覧

著書

『脳を司る「脳」』（ブルーバックス 講談社 2021年）
『いざ探Q！頭のなかには何がある』日本語版監修（ピエルドメニコ・バッカラリオ著、フェデリーコ・タッディア著、ルカ・ボンファンティ監修、有北雅彦訳）（太郎次郎社エディタス 2022年）
『面白くて眠れなくなる脳科学』（PHPエディターズグループ PHP研究所 2022年）
『脳研究者の脳の中』（ワニブックスPLUS新書 ワニブックス 2022年）
『すべては脳で実現している』（総合法令出版 2022年）
『ビジュアル図鑑　脳と心』監修（ナツメ社 2022年）
『「気の持ちよう」の脳科学』（ちくまプリマー新書 筑摩書房 2022年）
『天才になれる！ なになに？どこどこ？ なぞなぞあそび』監修（高橋書店 2023年）
『「頭がいい」とはどういうことか−脳科学から考える』（ちくま新書 筑摩書房 2024年）

共著

『ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました』中尾篤典共著（秀和システム 2023年）

分担執筆

脳に電気を流すと頭がよくなる？――グリア細胞の意外な働き、こころの科学増刊 「ここまでわかった！脳とこころ」第7章（日本評論社 2016年）
グリンファティック説とその反響, 実験医学増刊 Vol.37 No.17 脳の半分を占めるグリア細胞 脳と心と体をつなぐ“膠” 松井広，田中謙二／編 第2章 グリア細胞と神経免疫・臓器連関（羊土社 2018年）
「経頭蓋直流刺激(tDCS)が脳を活性化する仕組み」特集I. ニューロモデュレーション治療の可能性「精神科」 第34巻第6号6月号（科学評論社 2018年）
『マリエル生命科学』（化学同人 2023年）
『睡眠検定ハンドブック』（全日本病院出版会 2022年）

メディア出演

日本テレビ カズレーザーと学ぶ「脳を旅で再起動」（2023年8月8日放映）

外部リンク

毛内拡/社会に役立つ脳科学 (@hiromu_monai) · X
* 脳研究者・毛内拡の社会に役立つ脳科学YouTube

毛内拡氏は、脳科学の分野で幅広い活動を展開しており、研究者としてだけでなく、教育者、著述家、そしてメディア出演者として、その知見を社会に還元しています。彼の今後の活躍が期待されます。

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