水切り

水切り（みずきり）とは

水切りとは、水面に向かって回転をかけた平たい石を投げ、水面を跳ねさせる回数を競う遊びです。「水の石切り」や「石切り」とも呼ばれ、世界中の水辺で親しまれています。英語では「Stone skipping」や「Stone skimming」と表現されます。

概要

水切りは、特別な道具を必要とせず、誰でも手軽に楽しめる遊びとして、世界各地で親しまれています。地域によっては、水切りの回数や飛距離を競う大会やイベントが開催されており、市民団体が活動している地域もあります。

水切りを行う際には、周囲の安全に配慮し、遊泳中の人や水鳥などの野生動物に迷惑をかけないように注意が必要です。

記録

世界記録

2013年9月6日、アメリカのカート・スタイナーが88段を記録し、ギネス世界記録に認定されました。それまでの記録は、2007年7月19日にラッセル・バイヤースが記録した51段でした。カート・スタイナーは、2002年9月14日に40段の記録を達成しており、2007年にバイヤースに抜かれるまで記録保持者でした。

日本記録

日本の記録は、岡坂有矢がテレビ番組で達成した83段です。岡坂有矢は、自身のYouTubeチャンネルで91段を記録しましたが、ギネス世界記録には登録されていません（2016年9月時点）。

競技

水切りの大会は、日本だけでなく世界各地で開催されています。大会によってルールは異なり、跳ねた回数を競うものや、飛距離を競うものがあります。

主な水切り大会

日本
北海道中川町：天塩川de水切り～北海道大会～
宮城県丸森町：全日本石投げ選手権大会
愛知県岡崎市：石ー１グランプリ岡崎水切り石選手権大会
高知県いの町：仁淀川国際水切り大会
アメリカ合衆国
ミシガン州：International stone skipping tournament
ペンシルベニア州：Rock in river festival
イギリス
スコットランド：World stone skimming championships
ドイツ
ベルリン：Berlin Titscher Masters

呼称

水切りには、地域や文化によってさまざまな呼び名があります。

日本語

「水切り」や「石切り」の他に、「石投げ」、「跳ね石遊び」、「水面石飛ばし」、「チャラ」、「チャーリィ」、「チチッコ」、「ちょんぎり」、「ちょっぴん」、「ちょうま」、「飛び石」、「かいかい」、「ちょうれん（跳連 or 丁連）」、「トントンミー（沖縄）」などがあります。

外国語

英語：ducks and drakes, stone skipping (北米), stone skimming (イギリス)
中国語：打水漂
ドイツ語：Steinehüpfen
ラミラミ（ナイジェリア）：※「水を舐める」を意味する。

科学的考察

NHKの番組で、水切りを科学的に分析した結果、石がよく跳ねるための角度は、水面に対して前面が10°浮き上がった状態が最適であることが分かりました。また、石の高速回転（1秒間に30回転程度）が重要であり、回転が遅いと早く水没してしまいます。石の形状は、平型、かまぼこ型、レンズ型などが適しており、中でもレンズ型が最も優れているとされています。

フランスの物理学者リデリック・ブーケらの研究では、最適な角度は20°とされ、元ギネス世界記録保持者のコールマンマギーの記録を達成するためには、秒速12メートルの速度と毎秒14回転が必要だと算出されています。

反跳爆弾

水切りの原理を応用した兵器として、第二次世界大戦中にイギリスが開発した反跳爆弾があります。これは、ドイツのダムを破壊するために作られたもので、映画「ダムバスターズ」で有名になりました。

関連情報

印地: 戦闘での投石技術
石合戦: 合戦での石の投げ合いを模した遊び。死傷者や喧嘩が発生することもあった。

外部リンク

熊谷水きり倶楽部
World Stone Skimming Championships
* North American Stone Skipping Association (NASSA)

もう一度検索