水野美術館

水野美術館の紹介

長野県長野市若里に位置する水野美術館（Mizuno Museum of Art）は、2002年に開館しました。この美術館は、きのこ生産を行うホクト株式会社の創業者であり、実業家の水野正幸氏（1940年 - 2009年）が収集した約500点にもおよぶ近現代の日本画のコレクションを中心に運営されています。美術館は、地元信州に根ざした館であり、日本画の魅力を広める役割を果たしています。

美術館の構造

水野美術館は、3階建てで4つの展示室を備えています。また、美術館の前には美しい日本庭園が広がっており、訪れる人々にゆったりとした時間を提供します。館内には、さまざまな美術館関連のグッズや、ホクト株式会社の在庫商品を取り扱ったミュージアムショップもあります。さらに、庭園に面した和食レストラン「四季彩MIZUNO」では、食事を楽しむこともできます。

美術館では、ワークショップやレクチャーなどの教育普及活動が活発に行われており、地域の人々や訪問者に対して日本画の魅力を広めることに力を注いでいます。

水野コレクション

水野美術館の一番の魅力は、その「水野コレクション」にあります。このコレクションには、岡倉天心の理想をもとに、日本画の新たな創造に励んだ鈴木雅邦、横山大観、下村観山、菱田春草などの名画たちが含まれています。また、川合玉堂や堅山南風などの作品も収蔵されています。

特に、地元の巨匠、菱田春草に関しては特に力を入れており、春草とその盟友である横山大観との合作を含む数々の作品を所蔵しているのが特徴です。美術館が所蔵する作品は、特に日本画の伝統と革新が融合した素晴らしいものばかりです。

このコレクションの中には、若き日の横山大観が手がけた「無我」と名付けられた作品が含まれており、全体で3点存在していますが、そのうちの1点は当コレクションに収められています。残りの2点は東京国立博物館と足立美術館が所蔵しています。特に美術館が所蔵する作品は、1897年に描かれ、他の作品とは異なり、ほとんど公開されることはありませんでしたが、現在では年に一度のペースで一般公開されています。

美人画も豊富で、上村松園や鏑木清方、伊東深水などの作品も多く収蔵されています。幅広い日本画の世界を体験できる水野美術館では、訪れるたびに新たな発見があることでしょう。

沿革

水野美術館は、2002年に開館しました。その後すぐに美術館の建物と庭園が第16回長野市景観賞に選ばれるなど、地域でも評価される施設となっています。2006年には、公益法人としての認可を受けました。創設者の水野正幸氏が2009年に死去した後は、水野雅義氏が理事長を務め、さらに2011年には法人の組織変更を行い、「公益財団法人水野美術館」となりました。2019年から2020年にかけては、大規模な改修工事が行われ、その後新型コロナウイルスの影響でしばらくの間臨時休館となりましたが、2020年6月に再開館しています。

アクセス

水野美術館へのアクセスは、長野駅東口からのバスが便利です。長電バスの15系統や水野美術館行きのバスに乗ることで、約10分で「水野美術館」下車となります。運賃は180円で、30分毎に運行されています。また、徒歩でも約35分かかりますが、長野駅からの道のりを楽しむのも良いでしょう。日曜日は長電バスが運休のため、訪問の際にはダイヤを確認することをおすすめします。

まとめ

水野美術館は、日本画の真髄を感じられる貴重な場所であり、多くの人々にその魅力を伝える役割を果たしています。美術館の展示物やイベントを通じて、訪問者は日本文化やアートを深く理解することができるでしょう。

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