水野雄仁

水野雄仁：甲子園から巨人軍へ、そしてフロントへ

1965年、徳島県阿南市に生まれた水野雄仁氏は、少年時代から野球に打ち込み、徳島県立池田高等学校時代には、3季連続で甲子園に出場する活躍を見せます。特に1983年春夏の甲子園では、エースとしてチームを牽引し、夏の大会ではベスト4進出に貢献しました。その活躍から「阿波の金太郎」と呼ばれ、大きな注目を集めました。高校時代は、蔦文也監督の下、厳しいながらも実りある練習に励み、強豪チームとして名を馳せた池田高校野球部の歴史に大きく貢献しました。

高校卒業後は、1983年度ドラフト会議で読売ジャイアンツから1位指名を受け、プロ野球選手としての道を歩み始めます。背番号31を着け、1年目から一軍デビューを果たしましたが、2年目に肩を痛めるアクシデントに見舞われました。しかし、持ち前の粘り強さで克服し、1986年には一軍に定着、8勝を挙げました。1987年には10勝をマークし、巨人のリーグ優勝に貢献するなど、投手としての実力を発揮しました。

その後も、藤田元司監督、長嶋茂雄監督の下、中継ぎや抑えとして活躍。先発完投主義が主流だった時代において、貴重なリリーフ投手としてチームに貢献しました。しかし、度重なる怪我にも悩まされ、1996年、一度は現役を引退します。

現役引退後、水野氏は野球解説者としてメディアに登場する一方、メジャーリーグ挑戦を目指し、ドミニカのウィンターリーグに参加するなど、常に野球への情熱を燃やし続けました。解説者としては、フジテレビ、ニッポン放送、日本テレビ、ラジオ日本などで活躍。近年は、特に厳しいながらも的確な解説で知られています。

1999年には、巨人に一軍投手コーチとして復帰。指導者としての才能も開花させ、若手選手の育成にも尽力しました。その後、解説者としての活動と並行し、2007年からは静岡県セイブ自動車学校のCMにも出演。多方面で活躍の場を広げています。2018年には、第100回全国高等学校野球選手権記念大会のレジェンド始球式のマウンドに立ち、再び甲子園の雰囲気を味わいました。

2019年には18年ぶりに巨人に復帰、一軍投手コーチを務め、2020年からは巡回投手コーチと兼務しながらスカウトとしても活動しました。2021年からはスカウト活動に専念し、スカウト部参与を経て、2021年10月にはスカウト部長に就任。2024年9月には編成副本部長アマチュア担当兼スカウト部長に就任、さらにその後編成本部長代理スカウト担当兼スカウト部長に昇格しました。

水野雄仁氏は、選手、解説者、コーチ、スカウトと、野球界において多様な立場で活躍を続ける稀有な存在です。そのキャリアは、常に挑戦を続け、野球界への貢献を第一に考える、彼の情熱と人柄を物語っています。甲子園での輝かしい活躍から始まり、プロ野球選手としての実績、そして指導者、フロントスタッフとしてチームを支える現在に至るまで、水野雄仁氏の歩みは、多くの野球ファンに感動と勇気を与え続けています。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

主な記録

初登板：1984年5月22日
初勝利：1986年5月25日
オールスター出場：1回（1988年）
背番号：31(1984年～1996年)、71(1999年～2001年、2019年～2020年)

出演番組・CM

Fun!BASEBALL!! (日本テレビ系)
水野雄仁のGスタジアム (ラジオ日本)
* 静岡県セイブ自動車学校 CM

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