水鳥駅

水鳥駅：根尾谷断層を望む、樽見線の静かな駅

岐阜県本巣市根尾水鳥にある水鳥駅は、樽見鉄道樽見線の駅です。標高約300メートルの山あいに位置し、のどかな自然に囲まれた静かな駅舎が特徴です。駅番号はTR18。

歴史と変遷

水鳥駅が開業したのは1989年3月25日。樽見鉄道樽見線の神海駅から樽見駅間延伸の際に誕生しました。当初は比較的小規模な駅でしたが、1991年には臨時列車やJR接続列車の停車に対応するため、ホーム有効長が25メートルから110メートルへと大幅に延長されました。この拡張により、より多くの利用客を受け入れることができるようになりました。

駅舎と設備

水鳥駅は地上駅で、単式ホーム1面1線を有しています。無人駅のため、駅員は常駐していませんが、ホーム上には簡素ながらも利用客が雨風をしのげる待合所が設置されています。また、駅入口付近には水洗トイレが整備されており、利用者の利便性を考慮した設計となっています。

駅周辺の魅力と観光

水鳥駅周辺は、自然豊かな環境と歴史的な魅力が融合した地域です。駅南側を貫く根尾谷断層は国の特別天然記念物に指定されており、その地質学的価値から多くの研究者や観光客が訪れます。駅周辺には、断層の貴重な露頭を間近で観察できる地震断層観察館・体験館があります。

また、歴史ある安立神社（別名：水鳥宮）も徒歩圏内に位置しています。神社は地域の人々の信仰の中心として、長く大切にされてきました。さらに、根尾川が流れ、豊かな自然景観を形成しています。国道157号は根尾川の対岸を通っており、車でのアクセスも良好です。岐阜県道255号根尾谷汲大野線も駅周辺を通過しています。

かつて駅近くには「マグニチュード8.0」という喫茶店がありましたが、2020年頃に閉店しています。

アクセスと交通

水鳥駅へのアクセスは、樽見鉄道樽見線が便利です。最寄りのバス停は岐阜県道255号線上の「水鳥宮前」停留所で、本巣市市営バスの根尾宇津志線が利用可能です。このバス路線は根尾分庁舎前や宇津志方面へのアクセスを提供しています。

隣の駅

水鳥駅に隣接する駅は以下の通りです。

上り：高尾駅 (TR17)
下り：樽見駅 (TR19)

まとめ

水鳥駅は、自然豊かな環境と歴史的遺産に囲まれた、静かで落ち着いた駅です。根尾谷断層という貴重な地質学的資源を間近に感じながら、地域の文化に触れることができる魅力的な場所となっています。観光や散策の拠点として、あるいは地元住民の生活を支える重要な交通の要所として、水鳥駅は今後もその役割を担っていくことでしょう。無人駅ながら、周辺環境との調和を保ち、利用者の利便性を考慮した設計は、地方鉄道の駅のあり方の一つのモデルケースとして示唆に富んでいます。

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