江戸に現れたキングコング

江戸に現れたキングコング

『江戸に現れたキングコング』は、1938年3月18日に公開された日本映画です。監督は熊谷草弥、製作は全勝キネマ。一部資料では、タイトルが単に『キング・コング』とされている場合もあります。

概要

本作は、1933年に公開され世界的な人気を博した『キング・コング』を彷彿とさせる怪猿が登場する時代活劇であり、全勝キネマの「三週年記念超特作」として制作されました。公開当時、「邦画史上初の巨大な怪獣が登場する映画ではないか」という声もありましたが、劇中に登場する「キングコング」（類人猿）はあくまで等身大であり、巨大な怪獣が登場するわけではありません。

しかし、この類人猿の造形とスーツアクターを、後に数多くの特撮作品を手掛けることになる大橋史典（樺山龍之介）が担当している点が特筆されます。そのため、本作は「日本の怪獣映画の前史」として位置づけられることもあります。また、海外の怪獣映画ファンの間でも一定の知名度を有しています。

残念ながら、現在原版フィルムは所在不明となっており、視聴することができない状態です。

スタッフ

監督：熊谷草弥
脚本：青山大乗
撮影：奥田陽蔵

キャスト

郷孫之丞：松本栄三郎
類人猿：樺山龍之介
鳥羽兵衛：市川礼三郎
千浪：美島麗子
傴僂男黒阿弥：尾形章二郎
井上銀兵衛：毛利三四郎
河崎譲：高島登
瀬川琴之助：社恵之助
中沢新十郎：多賀新
東鉄三郎：芝笑太郎
松平伊豆守：日疋龍太郎
炭屋の番頭：松平圭介
醤油屋の番頭：吉井菊太郎
米屋の丁稚：実川童

備考

2012年、本作の断片とされる映像がYouTubeに投稿されましたが、これは1977年公開のイタリア映画『雪男イエティ』を元にしたフェイク映像であることが判明しています。

参考文献

『戦前日本SF映画創世記 ゴジラは何でできているか』 高槻真樹 2014年 河出書房新社

外部リンク

* 江戸に現れたキングコング - IMDb（英語）

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