池の平ホテル

長野県北佐久郡立科町の白樺湖周辺に広がる複合リゾート「白樺リゾート」の中核を成すのが、1955年に開業した池の平ホテルです。佐久市と茅野市にまたがるこのエリアは、湖畔の豊かな自然に恵まれており、その宣伝は長野県内はもちろん、中京広域圏や関東圏まで広く展開されています。運営は、2014年に社名を変更した株式会社池の平ホテル&リゾーツが行っています。

宿泊棟と客室

池の平ホテルは、時代の変遷を経て宿泊棟の構成を変えてきました。かつては本館、東館、アネックス館の3棟体制でしたが、施設の老朽化と構造の複雑化に伴い、旧本館は2021年5月にその役目を終え改築期間に入りました。その間、東館とアネックス館で営業を継続し、2023年4月22日には待望の「新本館」が開業しました。

現在（2024年 2月時点）は、この新本館、東館、アネックス館の3つの建物で構成されています。客室は多岐にわたり、スタンダードな和洋室に加え、「赤ちゃんとママのため」に設計された"mamatoco room"など、合計11種類が用意されています。以前は8種類の客室構成で、スイートルームなども存在しました。

特筆すべきは、小さなお子様連れの家族向けに用意されたキャラクターをテーマにした客室です。東館やアネックス館には、人気キャラクターである「プリキュア」や「仮面ライダー」の特別ルームが設置されています。これらの客室に宿泊すると、持ち帰り可能な記念グッズが含まれるほか、ボウリング、室内温水プール、ポタスノーランド、白樺リゾート池の平ファミリーランドのフリーパス券、さらにはキャラクター衣装の着用体験など、特別な特典がセットになった宿泊プランが提供されています。こうした充実した設備とサービスは、約100項目の基準をクリアした「ウェルカムベビーのお宿」としての認定にも繋がっています。

施設とサービス

新しく誕生した本館は、鉄骨造10階建てで、「THE LAKE RESORT」と「信州五感のショーケース」という二つのコンセプトを掲げています。湖畔の美しい景色を最大限に活かした設計となっており、食事はFOOD HALL型のホテルダイニングで提供されます。また、白樺湖を一望できる新たな温浴施設が設けられたことにより、開業以来親しまれてきた旧大浴場は閉鎖されました。他にも、湖畔に面したパブリックテラス棟など、リゾート滞在をより豊かにする空間が創出され、73室の客室を備えています。

ホテル敷地内にはリフトが設置されており、冬場は隣接する「池の平スノーパーク」（旧白樺リゾートスキー場）として、夏場は「夏山リフト」として運行されます。夏山リフトでは、季節の花々や高山植物を眺めながら、空中散歩を楽しむことができます。

館内には、メダルゲームやクレーンゲームが楽しめるゲームコーナー、一年中利用可能な室内プール、ボウリング場といったレクリエーション施設も充実しています。また、健康への関心に応えるサービスとして、2011年からは松本大学の協力による「健康いきいき診断プログラム」も実施されています。

併設施設

ホテルのすぐ隣には、広大なアミューズメントパーク「白樺リゾート池の平ファミリーランド」が併設されています。メリーゴーランドやジェットコースターなどの遊具をはじめ、パターゴルフ、夏季限定のプール、乗馬体験、アスレチックなど、多彩なアトラクションやアクティビティが楽しめますが、冬季は積雪のため休業します。ファミリーランドでは年間を通して様々なイベントが開催されており、ヒーローショーや過去には人気キャラクターをテーマにしたフェアなども行われました。

園内には、リフトで巡る「黄金アカシアの丘」があり、黄金色に輝くアカシアの森やニッコウキスゲなどの高原植物を観賞できます。また、「ふくろうの杜」では、様々な種類のフクロウと触れ合える機会が提供されています。ファミリーランドには、カバと白樺をモチーフにしたマスコットキャラクター「ポタ」がおり、子ども向けの会員制サービス「ポタキッズクラブ」も展開されています。

美術館

ファミリーランドの隣には、複合美術館「世界の影絵・きり絵・ガラス・オルゴール美術館」があります。ここでは、日本の影絵作家として名高い藤城清治氏の作品を中心に、美しいガラス工芸品やオルゴールが展示・販売されています。来館者は、影絵、切り絵、キャンドル、オルゴール制作といった体験プログラムに参加することも可能です。開館時間は通常9:00から17:00まで（最終入館16:00）となっています。

池の平ホテルは、これらの豊富な施設とサービスを通じて、白樺湖の自然を満喫しながら、家族で一日中楽しめる滞在型リゾートとして多くの人々に親しまれています。

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