沢中山駅

沢中山駅（さわなかやまえき）

富山県中新川郡立山町岩峅寺に位置する沢中山駅は、富山地方鉄道が運営する立山線に属する鉄道駅です。駅には「T50」という駅番号が付与されており、周辺住民にとって重要な交通拠点となっています。

歴史

沢中山駅の歴史は、大正時代に遡ります。1921年（大正10年）3月19日、立山鉄道の駅としてその扉を開きました。しかし、時代背景の変化などにより、開業からわずか15年後の1936年（昭和11年）8月18日には一度廃止されるという経緯をたどります。駅としての役目を終えた期間を経て、1940年（昭和15年）に再び駅として営業を再開しました。一度は姿を消しながらも復活を遂げた、ユニークな歴史を持つ駅と言えるでしょう。

駅構造

現在の沢中山駅は、簡素ながらも機能的な構造を有しています。ホームは線路の片側に一つだけ設けられた単式ホーム1面1線で構成されており、地上に設置されています。特筆すべきは、一般的な鉄道駅に見られるような駅舎が存在しない点です。駅の設備としては、ホーム上に利用者が列車を待つための小さな待合室が設けられているのみです。また、この駅は係員が配置されていない無人駅として運営されています。乗車券の購入などは車内で行うか、事前に準備する必要があり、駅でのサービスは限定的です。

利用状況

沢中山駅の利用状況については、立山町が公表している「統計たてやま」などの資料で確認することができます。近年における利用状況の一例として、2019年度における1日平均の乗降人員は72人でした。この数値は、駅周辺の人口規模や無人駅であること、そして後述する周辺環境などを反映したものでしょう。駅の利用者は主に近隣の住民と考えられ、静かな環境の中で地域に密着した利用がされている様子がうかがえます。

駅周辺

沢中山駅の周辺は、非常にのどかな風景が広がっています。駅を出ると、広々とした田園地帯が目に飛び込んできます。耕作地の中に民家が点在しており、豊かな自然環境の中で人々が暮らしている様子が見て取れます。しかし、駅周辺には多くの人が集まるような商業施設や大規模な店舗などは特にありません。このため、駅の利用は生活のための移動や、静かな環境への訪問などが中心と考えられます。

路線情報

富山地方鉄道立山線における沢中山駅の位置づけについても触れておきましょう。立山線は、富山県内を結ぶ主要な鉄道路線の一つですが、沢中山駅に停車するのは主に普通列車のみです。立山線を運行する優等列車である「アルペン特急」や「特急」は当駅を通過するため、これらの列車を利用する場合は隣の駅などから乗降する必要があります。普通列車の運行においては、沢中山駅（駅番号T50）は、富山方面に向かって一つ手前の釜ヶ淵駅（駅番号T49）と、立山方面に向かって一つ先の岩峅寺駅（駅番号T51）の間に位置しています。これらの駅との間で、地域住民の日常的な移動を支えています。

まとめ

沢中山駅は、一度廃止された歴史を持ちながらも再開業し、現在も富山地方鉄道立山線の駅として機能しています。駅舎のない簡素な構造ながら、待合室を備えた無人駅として、周辺ののどかな田園地帯に暮らす人々の生活を支えています。派手さはありませんが、地域の日常に溶け込んだ静かな駅として、その役割を果たし続けています。

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