洋泉社

洋泉社について

洋泉社（ようせんしゃ）は、東京都千代田区神田小川町に位置する日本の出版社で、1985年に設立されました。その設立者は藤森建二で、彼は以前には未来社の編集者として活動していました。会社名は、著名な作家である埴谷雄高が名付けたものです。

最初の頃の洋泉社は、純文学や社会的なテーマを扱った書籍を中心に刊行していました。しかし、1987年から始まった「キーワード事典シリーズ」は、同社の出版スタイルを大きく変える契機となりました。このシリーズの初刊は『ロックの冒険―いまどきのロックに油をそそぐためのアドベンチャー』で、以後サブカルチャーに関する書籍が多く出版されるようになりました。

また、1989年にスタートした「朝までビデオ」シリーズも、サブカルチャーに関連した拡張された出版物の一つです。この流れの中で、田野辺尚人という編集者が1993年に入社し、映画秘宝シリーズの創刊に貢献しました。田野辺は思潮社での経験を持ち、社内での新しいプロジェクトを推進する重要な役割を担いました。

洋泉社は1998年に宝島社の子会社となり、両社の人的交流が出版物の多様化に寄与しました。特に、映画に関するムック本や「映画宝島シリーズ」を発刊し、また独自の新書やムックなども手がけました。

しかし、2020年2月1日、洋泉社は宝島社に吸収合併され、解散となりました。この際、社員や権利義務は宝島社に引き継がれました。その結果、「映画秘宝」も休刊の運命を辿りますが、後に双葉社がこのタイトルを引き継ぎ、復刊を果たしました。ところが、2022年3月には再度休刊となってしまいます。

出版した著作の種類

洋泉社は多岐にわたる書籍を発行しており、特に以下のレーベルが知られています：

• - 新書y：さまざまなジャンルの新書シリーズ。
• - ムックy：多彩なテーマに関するムック本。
• - ライブラリー：特定のテーマや著者に特化した書籍。
• - キーワード事典シリーズ：様々な興味深いテーマに基づいた事典。
• - 映画秘宝シリーズ：映画に特化した書籍群。
• - トンデモ本：ユニークで突飛なテーマの本。
• - ヤングアダルト：若者向けの文学作品。
• - アウトロー：反体制的なテーマを扱った書籍。

さらに、文芸、エッセイ、人文社会、スポーツ、実用、科学、音楽など、多種多様な分野の書籍を刊行していました。洋泉社は、日本におけるサブカルチャーや文学に対する重要な発信源となっていましたが、合併によって一つの時代が幕を閉じました。

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