浦上駅

浦上駅と浦上駅前停留場：長崎の玄関口とその歴史

長崎県長崎市川口町に位置する浦上駅は、九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線の重要な駅です。この記事では、JR九州の浦上駅と、駅前に隣接する長崎電気軌道（長崎電鉄）の本線停留場である浦上駅前停留場について、詳細に解説します。

駅の歴史：明治から現代まで

浦上駅の歴史は古く、1897年（明治30年）7月22日、九州鉄道長崎線の長与駅 - 浦上駅間が開通した際に「長崎駅」として開業しました。当時は現在の長崎駅付近が海であったため、浦上に駅が設置されたのです。その後、長崎港湾の埋立工事が進み、現在の長崎駅が開業した1905年（明治38年）4月5日に、当駅は「浦上駅」に改称されました。

1945年（昭和20年）8月9日、長崎への原子爆弾投下により、浦上駅は爆心地から約1kmの地点にあり、駅舎は全壊し多くの犠牲者が出ました。しかし、被災後も諫早駅などとの間で負傷者の輸送拠点として機能し続けました。その後、1953年（昭和28年）に駅舎が再建され、現代に至ります。

1972年（昭和47年）には、喜々津駅から市布駅を経て浦上駅に至る長崎本線の新線が開業し、浦上駅は分岐駅となりました。2013年から2020年にかけては、長崎本線連続立体交差化事業により高架化工事が行われ、近代的な高架駅となりました。2022年9月23日の西九州新幹線開業に伴い、特急列車の停車はなくなりましたが、地域住民の生活の要として、現在も重要な役割を担っています。

駅構造とアクセス

JR九州の浦上駅は、島式ホーム1面2線の高架駅です。みどりの窓口も設置され、業務委託駅として運営されています。長崎電気軌道の浦上駅前停留場は、浦上駅の目の前に位置し、1号系統、2号系統、3号系統の路面電車が停車します。相対式ホーム2面で、道路上に設置されています。横断歩道橋と横断歩道が設置され、駅とのアクセスが良好です。

駅周辺環境

浦上駅周辺は、公共施設や文教施設が充実しています。長崎原爆病院、みらい長崎ココウォーク（商業施設）、長崎ブリックホール、長崎文化放送、長崎新聞社、長崎西高校、活水中学・高校などが駅周辺に集積しています。また、バス路線も充実しており、長崎市内各地へのアクセスが容易です。通勤・通学利用者が多く、活気のあるエリアとなっています。

利用状況

JR九州浦上駅の2022年度の1日平均乗車人員は約2,363人、長崎電気軌道浦上駅前停留場の2019年の1日平均乗降人員は約2,800人です。長崎県内の駅の中では、長崎駅、諫早駅、佐世保駅に次いで4番目に利用客が多い駅です。

まとめ

浦上駅は、長崎市の歴史と発展を象徴する駅であり、現在も地域住民の生活に不可欠な存在です。歴史的な背景、駅構造、周辺環境、そしてアクセス方法などを理解することで、より深く浦上駅の魅力を知ることができるでしょう。 今後も、地域の交通拠点として、その役割を担い続けることが期待されます。

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