清水丈夫

清水丈夫：日本の新左翼運動を代表する活動家

清水丈夫は、日本の新左翼運動において重要な役割を果たした人物です。1937年生まれ、神奈川県出身。東京大学経済学部在学中に日本共産党に入党するも、武装闘争放棄の方針に反発し離党。その後、他の学生活動家らと共に共産主義者同盟（第一次ブント）を結成し、全学連書記長として60年安保闘争に参加するなど、学生運動を牽引しました。

その後、革共同全国委員会（中核派）の中核メンバーとなり、長年に渡り運動を続けました。1969年から潜伏生活に入り、その間は外部との接触を極力避け、メディアへの露出も皆無でした。この半世紀以上に及ぶ潜伏生活は、公安警察にとっても大きな謎となっていました。

しかし、2020年9月、51年ぶりに公然と集会に参加。さらに、同年10月には警視庁公安部による前進社（中核派拠点）の家宅捜索の際にもその姿が確認されています。2021年1月には記者会見を行い、過去の事件について自身の見解を述べています。特に、1971年の渋谷暴動事件については、中核派の組織的関与を認めつつも、殺害行為自体は容認していないと主張しました。また、一連のゲリラ活動への関与については、直接的な指示の有無については明言を避けました。

2022年にはジャーナリストの田原総一朗氏によるインタビューを受け、その内容が公開されています。これらの近年の活動は、長年の謎に包まれた人物像に新たな光を当てると同時に、日本の新左翼運動史を改めて考えるきっかけとなっています。

清水氏は、革共同全国委員会議長として、長きに渡り組織を率いてきました。その活動は、日本の社会構造や政治体制への批判、社会変革への強い意志に基づいていると考えられます。一方で、その活動が社会に与えた影響、特にゲリラ活動や暴力事件については、批判的な見解も存在します。

清水氏の活動は、単なる政治活動の枠を超え、日本の戦後史、特に学生運動や新左翼運動の動向を理解する上で欠かせない要素となっています。彼の思想や行動、そして半世紀以上にわたる潜伏生活とその後の公の場への復帰は、現代社会においても重要な意味を持つと言えるでしょう。

著書

清水丈夫氏の活動は、数々の著作にも反映されています。『清水丈夫選集』は、その思想や活動理念を理解する上で重要な資料です。同選集には、反帝・反スターリン主義、安保闘争、沖縄闘争、さらには中核派と革マル派との対立など、幅広いテーマが取り上げられています。これらの著作を通して、清水氏の思想的背景や運動の展開、そして日本の新左翼運動の変遷を辿ることができます。

謎多き人物像

50年以上にわたる潜伏生活、徹底した情報管理、そして突然の公の場への復帰など、清水丈夫氏を取り巻く状況は、多くの謎に包まれています。この謎めいた人物像は、さらに彼への関心を高め、日本の新左翼運動史を研究する者にとって、重要な研究対象となっています。彼の長年の沈黙と、近年の発言との間には、大きな変化が見られる一方、一貫した思想や信念も感じられます。

今後の研究

清水丈夫氏に関する研究は、今後の歴史研究においても重要な位置を占めるでしょう。彼の活動、思想、そしてその社会への影響を多角的に分析することで、日本の新左翼運動史、さらには現代社会の政治や社会構造をより深く理解できる可能性があります。特に、彼の近年の発言や行動は、新たな歴史的解釈を生み出す可能性を秘めています。

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