湖南広域行政組合

湖南広域行政組合（こなんこういきぎょうせいくみあい、英語表記: Konan Large Area Administrative union）は、滋賀県の草津市、守山市、栗東市、野洲市の四つの市が共同で設立・運営している一部事務組合です。これらの市が連携し、広域的な視野に立った行政サービスを提供することを目的としています。

主な役割

本組合は、住民生活に密着した複数の重要な行政サービスを担っています。主な業務内容は以下の通りです。

消防に関する業務: 火災予防、消火活動、救助活動、救急搬送など、市民の生命と財産を守るための消防活動全般を統括しています。この業務は、組合の中核をなす湖南広域消防局によって遂行されます。
し尿および浄化槽汚泥の収集・処理: 衛生的な生活環境を維持するため、対象地域内のし尿や浄化槽から発生する汚泥の収集と適正な処理を行っています。
第二次救急医療に関する業務: 重症患者等に対応する第二次救急医療体制の維持・確保に貢献しています。これは、救急搬送された傷病者に対し、より高度な医療を提供できる体制を支えるための重要な役割です。

湖南広域消防局

湖南広域消防局は、湖南広域行政組合が運営する消防組織です。滋賀県栗東市小柿三丁目に消防本部を置き、構成四市（草津市、守山市、栗東市、野洲市）の広大なエリアを管轄しています。管内面積は約256平方キロメートルにおよび、定員345名の職員が、管内に配置された5カ所の消防署を拠点に日夜活動しています。火災、救急、救助など多様な事案に対応するため、様々な種類の消防車両等を配備しています（情報は2022年4月1日時点）。

沿革

湖南広域行政組合に関連する消防組織は、長年にわたりその体制を強化し、活動範囲を広げてきました。

1970年 2月1日：湖南消防組合消防本部が発足し、広域的な消防体制の基礎が築かれました。
1995年 1月17日：阪神・淡路大震災発生に伴い、被災地への応援派遣を実施しました。
1997年11月19日：消防音楽隊に男性カラーガード隊「ブルーレイガース」が編成されました。
1998年 4月1日：組織改編に伴い、湖南広域行政組合消防本部に名称を変更しました。
2001年 4月1日：特殊な水難事故に対応するための「特別水難救助隊WR-SAT」の運用を開始しました。
2004年7月18日：福井豪雨災害に際し、緊急消防援助隊として派遣されました。
2004年10月13日：平成16年台風第23号による豊岡市水害発生時にも、緊急消防援助隊として派遣されました。
2007年3月25日：能登半島地震発生時、緊急消防援助隊として被災地に赴きました。
2009年 4月1日：組織名称を現在の湖南広域消防局に変更するとともに、災害現場での指揮・情報収集を支援する「機動指揮支援隊C-SAT」を発足させました。
2009年10月1日：中消防署に、高度な救助技術を持つ「高度救助隊R-SAT」が配置されました。
2010年3月7日：湖南広域消防局の公式キャラクター「ライくん」「レイちゃん」が誕生しました。
2010年4月1日：海外での災害にも対応可能な「国際消防救助隊IRT」が発足しました。
2011年1月27日：総務省消防庁より支援車I型の無償貸与を受け、後方支援体制が強化されました。
2011年3月11日：東日本大震災発生後、緊急消防援助隊として大規模な派遣を行いました。
2011年6月27日：内閣府より「女性チャレンジ支援賞」を受賞しました。
2012年9月5日：総務省消防庁より燃料補給車の無償貸与を受けました。
2013年3月25日：総務省消防庁より無線中継車の無償貸与を受け、通信体制が強化されました。
2014年2月14日：ミャンマー連邦共和国に対し、消防車両3台を無償譲与し、国際協力に貢献しました。
2015年2月16日：東ティモール民主共和国に消防車両2台を無償譲与するとともに、技術支援のため職員2名を派遣しました。
2017年1月27日：ミャンマー連邦共和国へ救急車1台を無償譲与しました。
2017年4月5日：再びミャンマー連邦共和国へ消防車両2台を無償譲与しました。
2017年10月1日：機動指揮支援隊の運用体制が強化され、2拠点での運用が開始されました。
2018年7月7日：平成30年7月豪雨発生時、岡山県への緊急消防援助隊派遣を行いました。
2020年11月26日：総務省消防庁より水上オートバイが無償配備され、水難救助能力が向上しました。
2022年3月31日：消防音楽隊の男性カラーガード隊「ブルーレイガース」が廃止されました。

湖南広域行政組合は、これらの多岐にわたる業務と歴史を通じて、構成各市の住民の安全・安心の確保に努めています。

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