滋賀県立琵琶湖文化館

滋賀県立琵琶湖文化館は、滋賀県大津市にある博物館で、現在は休館しています。その前身は1948年に開館した滋賀県立産業文化館であり、博物館、近代美術館、展望閣、淡水魚水族館などを備えた滋賀県初の総合博物館として、1961年に新たなスタートを切りました。

開館当初は多様な展示を行っていましたが、その後、近現代の日本画・洋画コレクションは滋賀県立近代美術館へ、考古資料は滋賀県立安土城考古博物館へ、淡水水族館は滋賀県立琵琶湖博物館へと移管されました。これにより、「近江の歴史と文化」にテーマを絞り、地域文化を紹介する施設として再編されました。

特に常設の企画展示室は、滋賀県内の寺院から寄託された国宝や重要文化財を含む質の高い仏教美術作品を展示し、文化財保護の役割も担っていました。しかし、建物の老朽化や入場者数の減少などの理由から、2008年3月をもって休館となりました。この決定は、2007年12月の滋賀県議会で県教育長により表明されました。

休館後も、館外での展示会や講座、館蔵品の貸し出しなどの活動は継続されています。また、2013年には滋賀県によって『新生美術館基本計画』が策定され、琵琶湖文化館の収蔵品と博物館機能が新たな美術館に移転・継承されることとなりました。2021年には「新・琵琶湖文化館基本計画」が発表され、大津港湾岸業務用地（浜大津）に新たな施設を建設し、2027年度の開館を目指す計画が進行中です。

大津市出身の画家、杉本哲郎が描いた巨大壁画「舎利供養」の扱いは、現在も未定です。この作品は40年間県民に公開されておらず、杉本哲郎の孫が修復や後継施設への移設を訴えています。今後の動向が注目されます。

休館前の施設は以下の通りでした。

1階 - ギャラリー
2階 - 企画展示室、仏教美術の展示
3階 - テーマ展示室、近世、近代絵画の展示
4階 - パネル展示室、「びわ湖と近江の文化」をテーマとする展示
5階 - 展望閣、琵琶湖を一望できる

開館時間は9:00〜17:00（入館は16:30まで）で、休館日は月曜日（祝日の場合は翌日）でした。

建物の概要は以下の通りです。

竣工 - 1961年3月
構造 - 地上5階（外観は3層）、地下1階建
所在地 - 〒520-0806 滋賀県大津市打出浜地先

アクセスは、京阪電鉄石山坂本線 島ノ関駅から徒歩約5分、JR琵琶湖線 大津駅から徒歩約15分です。

参考文献：井上優「滋賀県立琵琶湖文化館問題の経緯・現状と今後の課題について」『日本史研究』第566号、日本史研究会、2009年、55-72頁、NAID 40016777452。

関連情報として、以下の外部リンクもご参照ください。

滋賀県立琵琶湖文化館ホームページ'>滋賀県立琵琶湖文化館ホームページ
琵琶湖文化館 - artscape'>琵琶湖文化館 - artscape
* 滋賀県立琵琶湖文化館 - インターネットミュージアム'>滋賀県立琵琶湖文化館 - インターネットミュージアム

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