濁点

濁点（だくてん）とは

濁点（だくてん）、または濁音符（だくおんぷ）は、日本語において濁音を表すために仮名の右上に付される記号です。その形状から「てんてん」や「ちょんちょん」と呼ばれることもあります。

濁点の歴史

現代の仮名遣いでは、ほぼ全ての濁音に濁点が用いられます。しかし、歴史的には必ずしもそうではありませんでした。例えば、法令で濁点が使われるようになったのは1927年（昭和2年）からであり、1945年（昭和20年）の終戦の詔書にも濁点は使用されていませんでした。

かつては「◌゙」の他に、点が3つ、4つのものや、丸を2つ書く記号も使われており、その形状は書く人や地域によって様々でした。しかし、戦国時代から江戸時代にかけて、点が2つの濁点に統一されました。

濁点統一の背景

仙台市博物館が所蔵する伊達政宗文書の解析によれば、1592年以前の文書では点が3つの濁点が、1593年の文書では点が3つのものと2つのものが混在し、1594年以降の文書では点が2つの濁点が使用されています。このことから、豊臣秀吉による天下統一が、濁点の統一にも影響を与えたと考えられています。また、伊達政宗は右筆を使わず直筆の文書を書くことを好んだため、一人の人物が点が3つの濁点から2つの濁点に改めたことを確認できる、非常に珍しい例としても知られています。

濁点の起源

濁点は、文字のアクセントを表す声点から発展したものと考えられています。

濁点の使用法

通常の仮名に濁点を付けて濁音を表すほか、繰り返し記号である「ゝ」、「ヽ」、「〱」に濁点を付け「ゞ」、「ヾ」、「〲」として、前の音を濁音化する使用法もあります。

関連事項

半濁点「◌゚」
半[[濁音]]「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ・ぴゃ・ぴゅ・ぴょ」

この解説を通して、濁点の歴史的変遷と、日本語における役割について理解を深めていただければ幸いです。

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