仙台市博物館

仙台市博物館：東北の歴史と文化を語る宝庫

仙台市博物館は、宮城県仙台市青葉区川内にある仙台市立の博物館です。仙台藩の歴史、文化、美術、工芸資料を幅広く網羅する人文科学系総合博物館として、東北地方の歴史と文化を深く理解するための貴重な拠点となっています。

博物館の設立と歩み

1951年、伊達家が仙台市に土地と約8000点もの貴重な文化財を寄贈したことが、博物館設立の大きなきっかけとなりました。市民による設立促進運動を経て、1960年に仙台城三の丸跡で着工、1961年に開館しました。宮城県内では4番目の博物館法に基づく施設として誕生しました。

開館後は、建物の増築を3回に渡り行い、展示スペースを大幅に拡大しました。当初は総合博物館として運営されていましたが、仙台市天文台や科学館の設立に伴い、人文科学系博物館へと特化していきました。その後、1970年代には国宝・重要文化財の公開勧告・承認出品施設となり、さらに1980年代には新築移転を経て、現在の規模となりました。2021年からは大規模な改修工事に伴い、一時休館しています。

貴重な収蔵品

仙台市博物館には、江戸時代の仙台藩に関する歴史資料、文化資料、美術工芸品など、約9万7000点もの貴重な品々が収蔵されています。そのうち約1000点が常設展示されており、来館者はその一部を鑑賞できます。

特に、伊達氏や慶長遣欧使節に関する資料は充実しており、『奥州仙台領絵図』は、その代表的な展示品です。幅8メートルにも及ぶ巨大な絵図は、来館者の目を惹きつけます。また、伊達政宗所用の黒漆五枚胴具足は、映画『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーの衣装デザインの参考資料としても知られています。国際的な評価も受けている貴重な資料です。

伊達家ゆかりの図書資料の一部は、宮城県図書館に収蔵されています。

国宝と重要文化財

仙台市博物館は、多くの国宝と重要文化財を所蔵しています。

国宝として、慶長遣欧使節関係資料（ローマ市公民権証書、支倉常長像、パオロ5世像など）が挙げられます。これらの資料は、2013年にユネスコの世界の記憶（世界記憶遺産）にも登録されており、国際的な評価を受けています。

重要文化財としては、伊達政宗所用の黒漆五枚胴具足、銀伊予札白糸威胴丸具足、伊達家文書、伊達家印章などが挙げられます。これらは、仙台藩の歴史や文化を伝える上で重要な資料です。

施設とアクセス

現在の博物館の建物は1986年に竣工しました。鉄骨鉄筋コンクリート構造で、敷地面積1万9758平方メートル、建築面積5283平方メートルを誇ります。設計は佐藤武夫設計事務所（現在の佐藤総合計画）が担当し、1990年には第2回公共建築賞優秀賞を受賞しています。

館内には、資料展示室の他に、レストラン、ミュージアムショップ、児童向けのプレイミュージアムなどがあります。屋外には、仙台ゆかりの人物の記念碑や作品なども展示されています。

アクセスは、仙台市地下鉄東西線国際センター駅から徒歩8分、または仙台駅からのバスで約20分です。

仙台市博物館は、歴史、文化、美術を愛する人々にとって、魅力的な場所となっています。東北地方の歴史と文化を深く知るため、ぜひ一度訪れてみてください。

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