無差別級

無差別級について

無差別級（むさべつきゅう）は、格闘技の世界において、選手の体重に関係なく戦う階級を指します。一般的に、これらの階級は体重別の階級が存在することを前提としています。そのため、体重による明確な区分がない競技、たとえば大相撲などではこの「無差別級」という表現は用いられません。無差別級は「アブソリュート級」や「absolute weight」とも称され、無制限の重さを表す概念です。

格闘技における無差別級

柔道

柔道では、無差別級の大会がいくつか開催されています。代表的な大会には、世界柔道選手権や全日本柔道選手権、皇后盃全日本女子柔道選手権があります。オリンピックの舞台でも、1964年の東京オリンピックから1984年のロサンゼルスオリンピックまで無差別級が持ち込まれました。ただし、1968年のメキシコオリンピックでは柔道競技自体が行われなかったため、無差別級の道は変遷を経ています。以降、無差別級はオリンピックから姿を消しました。

レスリング

レスリングの世界でも無差別級が設けられている大会が存在し、多様な選手がその実力を試す機会があります。これにより、異なる体重の選手たちが対等に戦う場が提供されています。

相撲

プロの大相撲には体重による階級分けがないものの、世界相撲選手権大会や世界女子相撲選手権大会では、体重別の階級とともに無差別級のタイトルも準備されています。これは、選手のスキルが体重による制約を超えることを可能にするための工夫です。

総合格闘技

総合格闘技では、パンクラス、ZST、DREAM、DEEP、ROAD FCなどで無差別級のカテゴリーが設けられています。特にパンクラスでは、かつて存在したスーパーヘビー級の廃止に伴い、無差別級に統合された形になっています。DREAMでは2009年から「スーパーハルクトーナメント〜世界超人選手権〜」という無差別級トーナメントが行われており、注目されています。DEEPでは「メガトン級」と名付けられたカテゴリーがあり、主に100kg以上の選手による戦いが展開されていますが、この王座の初代保持者は驚くことに100kg未満の川口雄介でした。

プロレス

プロレス界でも多くのトーナメントが無差別級をベースに開催され、様々なタイトル（例：NEVER無差別級王座、KO-D無差別級王座など）が存在します。また、一部の団体では、ヘビー級の選手権にジュニアヘビー級の選手が挑戦できる仕組みがあり、実際にジュニアヘビー級の選手がヘビー級の王者になることもあります。特に女子のプロレスでは、体重に上限のない王座が設けられ、多くの選手が無差別級の舞台で競い合う姿が見られます。

まとめ

無差別級は、異なる体重の選手同士が技術や力を競い合う貴重な舞台を提供し、格闘技の多様性と魅力を引き立てています。この無差別級の存在は、選手たちが体重に捉われず、真の強さを求める格闘技界の精神を象徴していると言えるでしょう。

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