熊坂伸子

熊坂伸子

熊坂伸子（くまさか のぶこ、1952年8月30日 - ）は、日本の政治家であり、経営学者です。岩手県宮古市出身で、地方自治や教育分野において多岐にわたる経験を有しています。

経歴

岩手県立宮古高等学校を卒業後、弘前大学理学部生物学科に進学。卒業後は青森地方裁判所弘前支部に事務官として勤務しました。退職後、3人の子育てをしながら慶應義塾大学文学部人間関係学科（通信制）を卒業。その後、東北大学大学院経済学研究科現代応用経済学専攻博士課程前期・後期を修了し、博士号（経営学）を取得しました。修士論文では「地方自治体の福祉支出が地域に及ぼす経済効果」を、博士論文では「わが国市町村の政策評価」をテーマに研究しています。

滝沢村助役時代

2003年5月から2005年3月まで、滝沢村助役を務めました。当時、滝沢村では柳村純一村長による民間企業の経営手法を取り入れた行政改革が進められており、熊坂は柳村の改革理論に沿う人物として招聘されました。しかし、「地方議会は住民の代表ではない」という発言が問題視され、減給処分を受けています。その後、村が助役を廃止する条例を提案したことから、2005年3月末に辞任しました。辞任後には、退職金全額を滝沢村に寄付し、村内の女性団体の自立支援に活用されました。

普代村教育長時代

2006年4月から2014年3月まで、普代村教育長を務めました。在任中には岩手県初の小中一貫教育が導入され、東日本大震災発生後は、普代村災害対策副本部長として震災復興にも尽力しました。教育長退任後には、小中一貫校建設費として600万円を村に寄付しています。

宮古市議会議員時代

2017年6月、宮古市議会議員補欠選挙で初当選。2018年の宮古市議会議員選挙ではトップ当選を果たしました。市議会議員としては、教育民生常任委員会委員長を務め、岩手県内の女性議員らによる組織「岩手ウィメンズネット」の事務局長としても活動しました。2020年には防災士の資格を取得しています。

2021年の宮古市長選挙に立候補しましたが、僅差で落選しました。その後、2022年3月には居場所づくりを目的としたブックカフェ「ことの葉」を開設しています。

家族

夫は宮古市長を3期務めた熊坂義裕です。

著書

『自治体経営革命』（共著、2003年）
『NPMと政策評価』（2005年）
『730日・伸子助役奮闘記』（2006年）
『あおのくにの子どもたちとともに―普代村教育長8年間の軌跡―』（2014年）
『検証・小中一貫教育のマネジメント』（2017年）
『がんと折り合いをつけて生きる』（共著、2024年）

熊坂伸子は、地方自治、教育、防災など幅広い分野で活躍し、その経験と知識を活かして地域社会に貢献しています。

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