片野記念館

片野記念館について

片野記念館（かたのきねんかん）は、岐阜県安八郡輪之内町に位置する私立の民俗博物館であり、地域の歴史や文化資産を広く公開しています。1971年の開館以来、訪れる人々に地域の豊かな伝統と文化を伝えてきました。

概要

記念館を設立したのは、輪中研究家の片野知二氏で、片野家に代々伝わる貴重な歴史資料や地域文化に関する資料を集約し、約6,000点に及ぶ近世庶民資料を収蔵・展示しています。また、岐阜県の中世文書の影写本、金石銘文の手拓、地域の文人による美術品や郷土文化財、さらには生活にまつわる道具や農具、漁具、養蚕具などが揃っており、これにより地元の歴史や民俗文化を深く理解することができます。

片野家は、福束輪中の古い名家で、館長の片野知二氏は、明治時代に木曽三川の治水事業に尽力した片野萬右衛門の子孫です。記念館に利用されている建物は1854年に建てられたもので、その後1857年に土蔵が追加されるなど、歴史的な価値も有しています。

展示内容

片野記念館では、片野家に伝わる歴史資料を中心に、約6,000点もの様々な資料を展示しています。特に目を引くのが、輪中に関連する貴重な文献や民具の数々で、来館者は地域の文化的背景に深く触れることができます。館内では、さまざまな農具や漁具、養蚕具の他にも、日常生活で使用されていた品々も展示されています。

また、茶室には江戸後期に活躍した漢詩人・梁川星巌が訪れた記録があり、記念館内には星巌の書画が12点も収蔵されています。これにより、歴史的人物との関わりも感じることができ、来館者には貴重な体験が待っています。

利用情報

片野記念館を訪れる際は事前に電話予約が必要です。開館時間は利用者のニーズに応じた柔軟な対応がされており、入館料は大人100円、子どもは50円と非常にリーズナブルです。訪れることで地域の歴史や文化に直に触れ、理解を深めることができるのがこの記念館の魅力です。

関連項目

• - 輪中: 河川の氾濫から地域を守るために作られた湿地帯。
• - 福束輪中: 輪中の一部で、歴史的に重要な地域。
• - 治水共同社: 萬右衛門が創設した治水事業に関する組織。
• - ヨハニス・デ・レーケ: 明治政府が招いた外国人技術者。
• - 木曽三川分流工事: デレーケに国の治水方針を訴えた片野萬右衛門の活動。

このように、片野記念館は地域の歴史を語る重要な場所であり、誰もが気軽に訪れることのできる文化的資源として存在しています。

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