王雀孫

王雀孫（おう じゃくそん）は、日本のゲームシナリオライターとして知られています。株式会社オメガビジョン傘下のNavelに所属し、数々の人気作品を手がけてきました。彼のペンネームは、中学生時代にゲームブック作家として活動していた頃の「O・ジャクソン」に由来します。これは、当時著名だったスティーブ・ジャクソンと自身のイニシャルを組み合わせたもので、現在のペンネームはそれを漢字表記にしたものです。

大学卒業後、王雀孫は成人向け漫画の編集者としてキャリアをスタートさせました。その後、BasiLに入社し、営業職として活動。初めて商業作品として携わったのは、BasiLの第二作『21-Two One-』のおまけシナリオでした。その後、『それは舞い散る桜のように』で企画・シナリオを担当し、その才能を開花させました。

BasiLの内部分裂後、王雀孫はサウンド担当のアッチョリケや原画家の西又葵らと共にNavelを設立。Navelでは、『Really? Really!』の演出や『俺たちに翼はない』の企画・シナリオを手がけ、数々のヒット作を生み出しました。

文学への造詣とユーモア

王雀孫の作品には、文学への深い造詣が垣間見えます。特に児童文学に精通しており、『それは舞い散る桜のように』のこだまシナリオでは、登場人物を通して児童文学の読み解き方について語る場面も。また、Leafのアダルトゲーム『WHITE ALBUM』の大ファンであり、西又葵と共に同人誌を発行したり、ファンの掲示板に書き込みをしたりするなど、熱心な一面も持ち合わせています。

開発中のエピソードとして、『それは舞い散る桜のように』の開発中にストレスから円形脱毛症になったことがあり、自身で「ハゲ」と自称してネタにすることがありますが、写真では髪は普通に生えているようです。

寡筆と制作の遅延

王雀孫は、筆の進みが非常に遅いことでも知られています。『俺たちに翼はない』は、当初Navelの第二作として予定されていましたが、彼の寡筆ぶりにより発売が大幅に延期。当初の発売予定からずれ込んだため、世界観を知ってもらうための『俺たちに翼はない〜Prelude〜』が先行して発売されることになりました。しかし、その後も延期が続き、最終的にはNavelの第六作として発売されることとなりました。

多岐にわたる参加作品

王雀孫は、アダルトゲームのシナリオライターとしてだけでなく、アニメやアプリゲームの脚本、ライトノベルの執筆など、多岐にわたる分野で活躍しています。以下に、彼の主な参加作品をまとめました。

アダルトゲーム
BasiL時代:『21-Two One-』（おまけシナリオ）、『それは舞い散る桜のように』（企画・シナリオ）
Navel時代:『SHUFFLE!』（スクリプト）、『Really? Really!』（演出）、『ね〜PON?×らいPON!』（シナリオ）、『俺たちに翼はない』（企画・シナリオ）、『マリッジロワイヤル』（第5期募集ヒロインプロフィール原案）、『ネブ＊プラス』（企画・シナリオ）、『月に寄りそう乙女の作法』（シナリオ）、『乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-』（シナリオ）、『SHUFFLE! エピソード2 神にも悪魔にも狙われている男』（シナリオ）、『Princess×Princess』（シナリオ）
他社ブランド:『姉小路直子と銀色の死神』（みなとカーニバル、シナリオ）

アプリゲーム
プリンセスコネクト！Re:Dive（「なかよし部」キャラクター設定、イベントシナリオ執筆協力）

ライトノベル
始まらない終末戦争と終わってる私らの青春活劇（ダッシュエックス文庫)

アニメ
俺たちに翼はない（シリーズ監修・脚本）
Phantom in the Twilight （脚本）
ドメスティックな彼女（脚本）
聖女の魔力は万能です（脚本）
異世界薬局（脚本）
転生王女と天才令嬢の魔法革命（脚本）
鴨乃橋ロンの禁断推理（脚本）

まとめ

王雀孫は、その独特な世界観とユーモアセンスで、多くのファンを魅了し続けています。ゲームシナリオライターとしての活動を中心に、アニメ脚本やライトノベルの執筆など、幅広い分野でその才能を発揮しており、今後の活躍も期待されています。

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