琴

琴（きん/こと）の概要

琴とは、日本の伝統的な弦楽器で、さまざまな種類があります。「こと」と呼ばれる楽器には、琴、箏、和琴、一絃琴、二絃琴が含まれます。琴と箏はしばしば混同されますが、音の出し方に違いがあります。琴では弦を押さえることによって音程を調節し、箏では可動式コラムを用いて調整します。

琴の種類

一絃琴

一絃琴は、シンプルな構造を持つモノコード楽器で、板琴または須磨琴とも称されています。日本においては、江戸時代初期に中国から伝来し、僧侶によって広められたと言われています。この楽器は、初めは一枚の板に弦が張られたものでしたが、現代のものは箱型に進化しました。一絃琴用に作られた楽曲は「本曲」として知られ、全体的にゆったりとした音楽が特徴です。

二絃琴

二絃琴は1820年に中山琴主によって創作され、最初は出雲琴と呼ばれていましたが、代表的な楽曲「八雲曲」に因んで八雲琴と呼ばれるようになりました。元々は竹製でしたが、後に杉や桐で作られるようになりました。二絃琴は一絃琴から進化したもので、同じ調弦の弦が二本設置されているのが特徴です。この楽器は出雲、伊予、京阪地方で人気がありましたが、現在ではあまり見かけません。明治時代には、二絃琴を改良した東流二絃琴が登場し、東京で多くの音楽に使用されました。

大正琴

大正琴は、大正時代に二絃琴の派生として開発された楽器です。

琴の歴史

琴の起源は非常に古く、弥生時代には既に日本に存在していたことが山田太郎の研究により確認されています。当時、琴は主に呪術用の道具として利用されていました。また、登呂遺跡から出土した楽器の痕跡は、琴の発展を示唆しています。さらに、古墳時代の埴輪に絡めた武器としても琴の姿が見受けられ、かなり古くから伝わる音楽文化の一部であることがうかがえます。

奈良時代には、中国からの楽器が持ち込まれ、その際に「琴」という言葉が多くの弦楽器全般を指すようになりました。このことにより、琴は弦楽器全般を含む幅広い意味を持つようになったのです。

日本文化における琴の意義

琴は日本の音楽文化で重要な役割を果たしてきました。源氏物語や、その他の文学作品にも登場することがあり、この楽器は時代を超えて人々に親しまれています。また、近代においても新たな楽器の増加や改良に伴って、琴の位置づけに変化が生じることもありました。

伝説と信仰

琴には様々な伝説が存在し、特に神道に関連する話が多く見受けられます。たとえば、ある神話では宇志丸という人物が自動演奏する琴を所有しており、その音により戦争に勝利したと言われています。このように、琴は神秘的な力を持つものとして信じられてきました。

本陸における琴は、ただの楽器にとどまらず、文化や伝説と深く結びついた存在です。今日の日本においても、琴は貴重な伝統として、演奏会や行事で使用され続けています。

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