田中彩子(たなか あやこ)は、
1984年2月23日生まれ、
京都府舞鶴市出身の
ソプラノ歌手(
コロラトゥーラ)です。幼少期から音楽に親しみ、3歳でピアノを始め、18歳で単身
ウィーンに留学し声楽を学びました。
華々しいデビューと国際的な活躍
22歳という若さでスイスのベルン市立劇場でモーツァルトの『
フィガロの結婚』のソリストとしてデビュー。同劇場における日本人初の最年少デビューは大きな話題を呼び、6ヶ月のロングラン公演を代役なしで務め上げました。翌年には、国際ベルヴェデーレ
オペラ・オペレッタコンクールで
オーストリア代表として本選に出場するなど、若くしてその才能を世界に知らしめました。
ウィーン・フォルクスオーパーでの『
ホフマン物語』オランピア役のカバーを経て、
オーストリア政府公認の『
魔笛』公演では、夜の女王役として3年間連続で出演。その後は、コンサートソリストとして
ヨーロッパや南米各地のオーケストラ公演に出演し、国際的に活躍しています。
多岐にわたる活動
2015年からは日本国内でも全国ツアーを開催し、日本でもその歌声を披露。2018年には
アルゼンチン最優秀初演賞を受賞、2019年にはNewsweek日本版の『世界が尊敬する日本人100人』に選出されるなど、その活躍は目覚ましいものがあります。
音楽活動以外にも、社会貢献活動にも積極的に携わっており、音楽や芸術を通じた教育・国際交流活動を行う「Japan Association for Music Education Program」を設立し、代表理事を務めています。また、
舞鶴市文化親善大使、京丹後市文化国際交流アドバイザー、宮津市文化芸術ブランドアンバサダー、学校法人AICJ鴎州学園の新理事長にも就任するなど、その活動は多岐にわたります。
卓越した語学力
日本語に加え、ドイツ語、
英語、
スペイン語、
イタリア語を流暢に話すことができる語学力も、彼女の国際的な活躍を支えています。
主な経歴
2002年:ウィーンに留学し声楽を学ぶ。
2006年:スイスのベルン州立歌劇場にて『
フィガロの結婚』でソリストデビュー。
2007年:ウィーン市立歌劇場に所属。国際ベルヴェデーレ・オペラ・オペレッタ・コンクールにてオーストリア代表として本選出場。
2011年:マーラー没後100周年記念フェスティバルにて、マーラーの交響曲第4番第4楽章の
ソプラノソリストとして出演。
2012年:デビューアルバム「Virtuosa Coloratura」をリリース。オペラ『魔笛』オーストリアツアーにて「夜の女王」役で3年間全公演に出演。
2013年:
ロンドンカドガンホールにて
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演で
ロンドンデビュー。
2014年:日本デビューアルバム「華麗なるコロラトゥーラ」をリリース。ウィーン・コンツェルトハウス大ホールでオルフの『カルミナ・ブラーナ』のソプラノソリストとして出演。
2015年:初の国内ツアーを全国5都市で開催。
2017年:アルバム「ウィーンの調べ ~華麗なるコロラトゥーラ2~」をリリース。ブエノスアイレスでエステバン・ベンセクリ作曲の『コロラトゥーラ・ソプラノとオーケストラのための5つの連作歌曲』を世界初演。
2018年:ユネスコ支援の国際青少年音楽フェスティバルにてリサイタル公演。
パリ・ルーブル美術館にて日仏友好記念リサイタルコンサート。世界バレー女子大会開幕戦で日本・
アルゼンチン国歌独唱。
2019年:Newsweek日本版『世界が尊敬する日本人100人』に選出。WBA世界ミドル級タイトルマッチで国歌独唱。アルバム「Vocalise」をリリース。東京ドームで開催されたプロ野球セントラルリーグのクライマックスシリーズで国歌独唱。
2020年:エステバン・ベンセクリ作曲の『連作歌曲』を含むアルバム「Esteban BENZECRY」をリリース。モノ
オペラ「ガラシャ」を総合プロデュース・主演。
2021年:舞鶴市文化親善大使、京丹後市文化国際交流アドバイザーに就任。
2022年:音楽教科書『音楽Ⅰ Tutti+』に掲載。宮津市文化芸術ブランドアンバサダーに就任。プロ野球日本シリーズで国歌独唱。
* 2023年:デンマーク「チボリガード・サマーコンサート」にて日本人初ソリスト出演。学校法人AICJ鴎州学園の新理事長に就任。アルバム「Play Coloratura」を発売。
メディア出演
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など、多くのメディアにも出演しています。特に、2016年には
毎日放送の「
情熱大陸」に出演し、その活動が広く知られるようになりました。
ディスコグラフィー
数々のアルバムをリリースし、その美しい歌声を世に届けています。
音楽活動以外の取り組み
音楽教育プログラムの設立や、故郷である
京都府での文化交流活動など、音楽家としての活動以外にも、社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。
田中彩子は、その卓越した才能と情熱をもって、音楽の世界で輝き続ける、まさに現代を代表する
ソプラノ歌手と言えるでしょう。