田代富雄

田代 富雄の野球人生

田代 富雄（たしろ とみお）は、1954年に神奈川県小田原市で生まれた元プロ野球選手であり、野球界の監督やコーチ、解説者としても活動している。彼は右投右打の内[[野手]]として、主に三塁手のポジションで知られ、多くのファンから愛された選手である。

経歴

プロ入り前のキャリア

田代は小田原市立酒匂小学校でソフトボールを始め、その後、酒匂中学校で野球部に入って投手として活躍した。高校では、藤沢商業高等学校に進学し、主に四番打者としてチームを支えた。彼は2年生の時に三塁手に転向し、在学中に42本の本塁打を記録するなど注目を集めたが、甲子園出場は叶わなかった。

現役選手としての成功

1973年にドラフト3位で大洋ホエールズに入団。契約交渉では金額にこだわり、最終的に契約金800万円、年俸120万円で契約を結んだ。彼の背番号は26番であり、これが生涯にわたる番号となった。1975年、彼は二軍で首位打者および打点王を獲得するが、監督からは将来に対する評価が低かった。169cmという身長ながら、1976年には一軍昇格を果たし、初安打を記録。その後は62試合に出場し、ポジションをつかんでいった。

1977年シーズンには、11本塁打を打ち、打率.388で月間MVPを受賞。この年のオールスターゲームには長嶋監督に推薦されて出場を果たし、話題となった。彼はその後も成績を伸ばし続け、1980年にはリーグ2位となる36本塁打を達成。引退直前の1991年の最終戦では、唯一の安打を記録した満塁本塁打を放ち、プロ野球史上唯一のプロ最終打席での満塁本塁打となった。

引退後の活動

引退後は解説者としても活動していたが、1997年から横浜でコーチとしてのキャリアをスタート。続いて韓国KBOリーグのSKワイバーンズや楽天ゴールデンイーグルスでコーチを務め、選手たちの育成に力を注いだ。彼は選手たちに対しシンプルながら効果的な指導法で知られ、多くの若手選手の成長をサポートした。

その後、読売ジャイアンツやDeNAでもコーチとしての役割を果たしたが、野球に対する情熱は衰えず、2024年には再び一軍の打撃コーチに復帰する予定である。

人物

田代の特徴的なニックネームの一つは「オバQ」で、これは入団当初の彼の性格に由来している。また、彼は「アジの開き」とも呼ばれる独特の打撃フォームで知られており、そのスタイルは多くのファンに親しまれた。彼のキャリアは長距離打者としての印象が強いが、一方で三振が多い一面もあり、通算1081三振を記録した。しかし、彼には高木豊選手が指摘するように、本来の実力は高いものがあったとされ、一概にその成績だけでは評価できない部分がある。

田代富雄は、野球人生を通じて、多くの選手に愛情を持って接し、成長を見守り続けてきた。彼は若手選手に対し、「プロ野球選手になった者だけが、戦力外通告を受けられる」と励まし、選手たちが誇りを持ってプロの道を歩むことができるよう寄り添った存在である。

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