田儀駅

田儀駅について

田儀駅（たぎえき）は、島根県出雲市多伎町口田儀に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）山陰本線の駅です。この駅は、地元の交通の要所として機能しており、山陰地方の美しい風景を満喫できるエリアに位置しています。

駅の歴史

田儀駅は1915年（大正4年）7月11日に開設されました。当初、鉄道院による山陰本線の小田駅から石見大田駅（現在の大田市駅）への延伸に伴い、客貨の取り扱いも始まりましたが、1962年（昭和37年）には貨物の取り扱いが廃止。さらに1977年（昭和52年）には荷物扱いも廃止され、簡易委託駅として運営されることになりました。

1987年（昭和62年）に国鉄の分割民営化が行われ、田儀駅は西日本旅客鉄道の駅となり、有人駅としての機能を再開ましたが、1990年（平成2年）には再び無人駅に戻りました。2005年（平成17年）には、町営バスのターミナルと公園施設を併設した新しい駅舎が完成しました。

2016年（平成28年）1月30日には、駅構内に土砂が流入し、山側の2番線が使用できなくなるという異常事態が発生しました。その影響で、当駅で予定されていた列車交換が他の駅で行われることになり、列車ダイヤに大きな変更が生じました。しかし、同年7月30日には2番線の使用が再開され、正常に戻りました。

駅の構造

田儀駅は島式ホームを1面2線備え、列車の交換が可能な地上駅としています。ホーム上には待合室が設備されており、利便性が考慮されています。駅舎は木造で、2005年に改装され、陸側の益田寄りにあります。ホームへは構内の踏切を通じてアクセスできます。

現在は松江駅が管理を行う無人駅ですが、最近までホームには乗車駅証明書発行機が設置されていました。

のりばについて

田儀駅ののりばは、上りと下りの通過列車及び行違いを行わない停車列車が共に2番のりばを使用します。反対方向からの通過列車と行き違う停車列車は、上下線共に1番のりばに停車する仕組みとなっています。混乱を避けるために、列車運転指令上の番線番号は、旅客案内上ののりば番号とは逆に設定されている点も特徴的です。

利用状況

2022年度における田儀駅の1日平均乗車人員は29人という結果でしたが、これは2004年度59人、1994年度97人、1984年度122人と比較して減少傾向にあります。地域の交通事情や人口の影響を受けているものと考えられます。

駅周辺の環境

田儀駅の前には海が広がり、対岸には手引ヶ丘公園が位置します。また、手引ヶ丘公園には風の子楽習館や田儀海水浴場、手引ヶ浦台場公園も近接しており、自然を楽しむ場所としても人気です。

国道9号が近くを通行しており、多伎循環バスの「田儀駅前」停留所も近隣に位置しているため、地域交通の利便性を高めています。

その他の情報

田儀駅とその次の小田駅の間は、鉄道写真愛好家にとっての人気撮影スポットとなっています。また、1984年まで国鉄の長距離普通列車の行き違いが発生していたことでも知られ、鉄道ファンにとっての思い出の地でもあります。

田儀駅は、地域の歴史や文化を色濃く反映した場所であり、訪れる人々にとって多くの魅力を提供しています。

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