白勝

白勝（はく しょう）について

白勝は、中国の古典小説『水滸伝』に登場するキャラクターであり、梁山泊の百八星の一人です。彼は別名「白日鼠（はくじつそ）」として知られており、その名は賭け事が好きで、昼間から不品行を働いていたことに由来しています。力は強くなく、多くの特技も持たない彼ですが、物語の中で意外な活躍を見せます。

生い立ちと初期の経歴

白勝は済州安楽村出身で、かつて晁蓋に面倒を見てもらっていた経歴があります。彼は、晁蓋が梁山泊に加わるきっかけとなる事件、「智取生辰綱」に参加することになります。この計画では、梁山泊の仲間とともに蔡京に贈る大金を奪うための役割を果たしました。白勝は酒売りに変装し、護送役の楊志たちを油断させ、痺れ酒を盛って計画を成功させましたが、彼はすぐに捕縛されてしまいます。

捕縛と逃亡

白勝は、略奪後に分け前の宝石で賭け事をし、そのことが露見することで官憲に捕まり、拷問を受けました。彼は耐えきれずに仲間の名前を明かしたため、晁蓋らは逃げざるを得なくなります。その後、白勝は梁山泊に身を寄せることになり、やがて山賊のリーダーとしての生活が始まります。さらに、呉用らの助けを借りて脱獄を果たし、再び仲間と共に行動を開始します。

活動と実績

以降、白勝は潜入や伝令という体力を要する役割をこなすようになります。彼は敗走中に敵将の肩に矢を当てたり、負傷した晁蓋を救うなど、予想外の手柄を上げることもありました。また、百八星が集結した後は戴宗のもとで伝令将校に任命され、活躍の場を広げました。

特に遼との戦いにおいては、敵の策略で捕らえられた際、白勝は大量の旗やマントを用いて窮地から脱退し、本隊に救助を要請するという重要な役割を果たしました。さらに、彼の巧妙な行動は仲間たちにとっても大きな助けとなりました。

悲劇的な結末

しかし、白勝の人生には悲劇的な一幕が待ち受けていました。方臘討伐戦の後、杭州では疫病が流行し、彼自身も病にかかることとなります。不運にも、その病が元で命を落としてしまったのです。彼の生涯は、数々の冒険と困難に満ちており、その成功と失敗が織り成す様相は、『水滸伝』の中でも特に印象深いものとなっています。

関連項目

• - [水滸伝百八星一覧表]

白勝は、力強さや特技こそ持たないものの、仲間のために尽力し、様々な場面で意外な行動をとったことで、読者に強い印象を与えるキャラクターです。彼の物語は、運命に翻弄されながらも、仲間と共に戦う姿勢を浮き彫りにしています。彼の存在は『水滸伝』の魅力的な要素の一つであり、文学的な価値にも寄与しています。

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