白川密成

白川 密成（しらかわ みっせい）

白川密成は1977年に愛媛県で生まれた日本の仏僧であり作家です。彼は現在、四国八十八ヶ所霊場第57番札所である栄福寺の住職を務めています。俗名は歩（あゆむ）で、母親がイラストレーターの大橋歩のファンであったことがその名の由来となっています。彼の兄は建築家の白川在です。

学歴と初期キャリア

高野山大学では文学部密教学科に進学し、卒業論文「密教と現代生活」を執筆。この論文は学術雑誌『密教文化』に掲載され、その後の彼の学問的活動の基盤となりました。また、卒業後は書店員としての経験を経て、2001年に栄福寺の住職に就任します。この職に就いたのは、先代住職の遷化を受けてのことでした。

執筆活動のスタート

住職としての活動に加え、白川は2001年から2008年にかけて「ほぼ日刊イトイ新聞」にエッセイ「坊さん。」を約230回連載しました。2010年にはこの連載をもとに書かれた『ボクは坊さん。』を出版し、広く注目されることとなります。この本は、仏教に関する彼のユニークな視点や、弘法大師と釈尊の言葉を交えながら、仏教を身近に感じることができる内容として、多くのメディアに取り上げられました。

メディアへの登場と多様な活動

白川は、書籍の出版以外にもテレビ番組への出演や講演活動にも広く携わっています。特にNHKの番組やTBSのジョブチューンに出演し、仏教と現代生活の接点を多くの人々に伝えています。さらに、全国各地での講演や対談イベントも積極的に行っており、医療や教育、政治など様々な分野での活動が見られます。特に仏教に関する知識を基にした講演は、多くの好評を得ています。

著作と新たな挑戦

白川はこれまでに数多くの著作を発表しています。彼の作品は、「坊さん、父になる。」「坊さん、ぼーっとする。」などがあり、どれも仏教に関する考察と個人的な経験が色濃く反映されています。2019年には、岡田武史と対談を行い、その内容が「ちゃぶ台」に掲載されるなど、仏教とスポーツ、文化の交差点でも活躍しています。そして2023年には『マイ遍路―札所住職が歩いた四国八十八ヶ所―』を発刊し、自らの遍路の経験を基にした著書を送り出しました。

映画化と国際的な評価

また、2015年には『ボクは坊さん。』を原作とする映画が制作され、国内外で上映されました。映画はアメリカの映画祭でも受賞し、国際的な評価を受けています。さらに、映画のBlu-rayやDVDも発売され、白川自身も音声特典に登場しています。

継続的な活動

白川は常に新しい挑戦を続けており、2021年には『不要不急』と題した共著も刊行しました。この本では、僧侶たちが現代の課題と向き合い、仏教の智慧をお互いに語る重要な視点を提供しています。2023年には、空海に関連した著作や番組出演も行い、仏教の普及と理解に努めています。彼の活動は今後も日本の文化において大きな影響を与えていくことでしょう。

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