皇居東御苑

皇居東御苑：江戸城の記憶と自然が息づく場所

皇居東御苑は、東京都千代田区に位置する皇居附属の庭園であり、かつての江戸城の中心部、本丸・二の丸・三の丸があった場所に広がっています。現在は宮内庁の管轄下にあり、1968年より一般公開されています。

江戸城の面影を今に伝える

東御苑は、江戸時代には江戸幕府の要であり、将軍の住居や政庁が置かれていました。明治維新後、皇居の一部となり、庭園として整備されました。苑内には、江戸城の遺構が数多く残されており、歴史的な史跡を巡ることができます。

天守台：かつて江戸城天守が聳え立っていた場所。明暦の大火で焼失後、再建されることはありませんでしたが、その巨大な石垣は今も残っています。
富士見櫓：江戸城内に現存する数少ない櫓の一つ。江戸城天守が焼失した後は、天守の代わりとして重要な役割を果たしました。
同心番所、百人番所、大番所：江戸城警護のための施設。当時の警備体制を偲ばせます。
松の廊下跡：忠臣蔵で知られる刃傷事件の舞台となった場所。

豊かな自然と庭園美

東御苑は、都会の中心にありながら、豊かな自然が残されています。昭和天皇の発意により武蔵野の自然を再現した二の丸雑木林や、果樹の古品種園、上皇明仁の所望でヒレナガニシキゴイが放流されている池などがあり、四季折々の風景を楽しむことができます。

二の丸雑木林：武蔵野の自然を再現した森。多様な植物が生育し、都心とは思えない静寂が広がります。
日本庭園：美しい池泉回遊式庭園。四季折々の花が咲き、訪れる人々を魅了します。
果樹古品種園：珍しい果樹が栽培されており、日本の果樹栽培の歴史を学ぶことができます。

皇室ゆかりの施設

東御苑内には、皇室ゆかりの施設もあります。

桃華楽堂：香淳皇后の還暦を記念して建てられた音楽堂。美しい外観が特徴です。
三の丸尚蔵館：皇室に受け継がれた美術品を収蔵・展示する美術館。貴重な文化財を鑑賞することができます。
大嘗宮：天皇の即位後に行われる重要な儀式「大嘗祭」のために、一時的に設けられる施設。

アクセス・その他

アクセス：大手町駅、竹橋駅、二重橋前駅、東京駅から徒歩圏内。
入園料：無料
公開時間：季節によって異なります。詳細は宮内庁のウェブサイトをご確認ください。
休園日：月曜日、金曜日（祝日の場合は開園）、年末年始など。

皇居東御苑は、歴史と自然が調和した魅力的な庭園です。都会の喧騒を忘れ、静かな時間を過ごしたい方、日本の歴史や文化に触れたい方におすすめです。ぜひ一度、足を運んでみてください。

注意：苑内には宮内庁関係の施設があるため、立ち入り禁止区域があります。また、入園の際には手荷物検査を受け、入園票を受け取る必要があります。

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