真北

真北（True North）とは

真北とは、地球上の特定の地点を通る経線、または子午線が示す北の方向、つまり北極点の方向のことです。私たちが日常的に「北」と認識している方向とほぼ一致します。地球の自転軸に基づいた、地理的な北の基準となるものです。

真北と北極星

北半球においては、真北は北極星の方向とほぼ一致します。しかし、厳密には両者は異なっています。これは、地球の自転軸がわずかに傾いていることや、歳差運動と呼ばれる地球の自転軸の周期的な変動によるものです。したがって、より正確な北を求める際には、これらの要素を考慮する必要があります。

真北と磁北の違い

真北とは対照的に、磁石が示す北は「磁北」と呼ばれます。磁北は地球の磁場によって決まり、北磁極の方向を指します。この磁北と真北の間にはズレがあり、このズレを「偏角」といいます。偏角は場所によって異なり、時間とともに変化します。

現在の日本中心部（北日本、沖縄などを除く）では、磁北は真北に対して約7度西側にずれています。このずれを考慮しないと、地図やコンパスを使ったナビゲーションに誤差が生じる可能性があります。

真北の歴史的利用

古代の建築物や墳丘の中には、東西南北の方角を意識して建設されたものが多く見られます。これらの建造物のほとんどは真北を基準にしていると考えられています。これは、真北が地理的な基準として、普遍的で正確な方向を示していたためでしょう。

真北と現代の利用

現代では、真北は地図作成や地理情報システム（GIS）など、正確な地理的情報が必要な分野で重要な役割を果たしています。地図上の位置や方向を正確に把握するためには、真北を基準とした方位角を使用する必要があります。

磁北の利用

一方、磁北は主に航空機の航行などに利用されています。多くの航空機は磁方位を基準に飛行しており、空港の滑走路番号も磁方位で表示されています。これは、航空機の航行において、コンパスなどの磁気センサーが重要な役割を果たすためです。

まとめ

真北は地球の自転軸に基づいた真の北の方向であり、地理的な基準として重要な役割を果たしています。一方で、磁北は磁場に基づいた北であり、真北とのずれを考慮する必要があります。それぞれの特徴と利用シーンを理解することで、より正確なナビゲーションや地理情報の活用が可能になります。

関連項目

方位
真北方向角
* 子午線収差

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