知立まつり

知立まつり（ちりゅうまつり）

愛知県知立市にて毎年5月に行われる知立まつりは、1653年に遡る歴史を持ち、知立神社での祭事として定着しています。この祭りは、本祭と間祭が交互に実施され、本祭では特に人形浄瑠璃芝居「山車文楽」と、山車からくりが上演される点が特徴です。これらの芸能は国指定の重要無形民俗文化財であり、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

祭りの特徴

知立まつりは、毎年5月2日と3日の二日間にわたって開催され、知立神社とその周辺各所で賑わいます。本祭が行われる偶数年には、西町、宝町、山町、中新町、本町の5つの町が参加し、高さ約7メートル、重さ5トンに及ぶ5台の山車が出揃います。山車の上で演じられる人形劇は、地域の特性を生かした独自の芸能が反映されています。

間祭では、山車文楽やからくり人形の上演は行われず、代わりに華やかな花車が町内を練り歩きます。このように、知立まつりは本祭と間祭で異なる側面を持ち、訪れる人々を楽しませる多様性があります。

本祭の際に演じられる山車文楽は、江戸時代から伝承されており、知立独自のスタイルが確立されています。構造としては、同一の山車の上層と下層で異なる演目が上演される形式は、本祭の独自性を強調しています。また、からくり人形は町内の住民が手作りしており、専門職人ではなく地域の人々の ingenuity が活かされています。これらの技術は地域内で大切に受け継がれており、知立市立竜北中学校には文楽クラブがあり、若い世代へと伝承されています。

歴史的背景

知立まつりの起源は、承応2年つまり1653年に遡ります。この年の記録には、いくつかの町がからくりを奉納したことが書かれており、そこから祭りは始まったとされています。その後、1747年には山車の上での文楽の上演が開始され、時代と共に演目も変わりながら続いてきました。現在までに『聖徳太子絵伝記』や『百合若高麗軍記』など多彩な演目が上演されています。

文化財としては1967年に愛知県の有形民俗文化財に指定され、1979年には国の選択無形民俗文化財に、1990年には重要無形民俗文化財として登録されました。そして、2016年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されるなど、広くその文化的価値が認められています。

しかし、近年では2020年に新型コロナウイルスの影響で山車巡行が中止となり、2022年にも同様の決定がなされるなど、伝統行事の在り方が試される時期が訪れています。地域の皮膚に根ざしたこの祭りが今後も維持・発展することが求められるでしょう。

交通アクセス

知立まつりへは、名鉄名古屋本線の知立駅から徒歩約10分の距離に位置し、また、伊勢湾岸自動車道豊田南インターチェンジから国道155号経由でおおよそ5kmの場所になります。チャンスを逃さず、ぜひお越しいただきたい祭りです。

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