石垣原の戦い

石垣原の戦い

石垣原の戦いは、慶長5年（1600年）の9月13日、大分県別府市の石垣原で発生した重要な戦闘です。この戦いは、黒田如水（孝高）率いる軍と大友義統軍との間で行われ、戦国時代の権力闘争の一端を示しています。戦前の状況や戦闘の展開、戦後の影響について詳しく見ていきましょう。

戦いに至る背景

1598年、豊臣秀吉が死去すると、日本の支配体制は揺らぎ始めました。五大老の徳川家康と五奉行の石田三成との権力争いが激化し、家康が三成派の上杉景勝に対し会津征伐を行います。この状況を受けて、黒田長政は会津征伐に参加することとなりました。

一方、石田三成は七月に毛利輝元を擁立して挙兵し、全国各地で戦火が広がります。その中で九州でも戦いの余波が及び、長政の父・如水が中津城に残されて新たに軍を編成する動きが始まります。彼は浪人や領民を動員し、9月9日に豊後へ侵攻を始めました。

大友義統の動向

義統は文禄の役の失敗により改易され、長らく徳川家臣が後ろ盾となっていました。しかし、義統はこの状況を活かし豊後への進攻を決めます。8月に、大阪から武器を持参して故地に向かう準備を進める中、義統は事前に旧臣たちを集めることに成功しました。9月8日の夜、義統は豊後の地に上陸します。

杵築城を巡る攻防

義統が豊後に上陸した際、彼は杵築城に強力な兵力を集め、準備を整えます。この城は元々細川忠興が管理していましたが、義統はこれを攻略することを決意します。しかし、忠興の側近たちが防御を固め、義統の攻撃は抵抗に遭います。

9月10日には、義統軍が攻撃を始めますが、忠興側の防御が功を奏し、厳しい戦闘が続きます。特に、黒田如水側の支援がなければ、大友軍は相当の損耗を被る場面が見受けられました。

石垣原の合戦

9月13日、ついに実戦となります。大友軍と黒田軍が衝突し、戦場は混乱に包まれました。黒田軍の先遣隊は攻撃を行うも、大友軍に追われ、戦局は不利に進展します。しかし、黒田軍の援軍が到着し局面が変わります。双方の武将が討ち取られる激しい戦闘が繰り広げられ、結局、大友軍は致命的な打撃を受けてしまいます。

戦後の影響

戦闘後、大友義統は自刃しようとしますが、別の家臣の忠告によって降伏します。降伏後の義統は幽閉され、家名の存続をかけた複雑な運命を辿ります。一方、黒田如水は合戦を通じて、豊後を平定するための軍事行動を開始し、更なる進撃を計画することになります。

石垣原の戦いは九州における権力の再編成を促し、黒田氏が家康から高い評価を受ける結果となります。この戦闘は、豊臣政権崩壊の一因ともなり、後の歴史にも深い影響を与えた重要な出来事の一つです。

もう一度検索