石垣牛

石垣牛（いしがきぎゅう、いしがきうし）

石垣牛は、沖縄県石垣市および八重山郡（竹富町、与那国町）で生産・育成される、特定の条件を満たした黒毛和種の牛肉です。温暖な気候と豊かな自然の中で育まれた石垣牛は、その質の高さで知られています。

歴史

八重山諸島は日本最南端に位置し、温暖な気候を活かした畜産業が盛んです。1970年頃にはすでに「石垣牛」として大阪や名古屋の市場に出荷されていましたが、当時は素牛として出荷されることが多く、ブランドとしての確立には至っていませんでした。

1987年には「石垣牛」の名称が記録に残っていますが、名称統一が図られたのは1997年のことです。それまで石垣黒牛や八重山黒牛といった候補がありましたが、「石垣牛」に統一されました。

2000年7月、九州・沖縄サミットの晩餐会でメインディッシュとして供されたことがきっかけとなり、石垣牛は一躍ブランド牛肉としての知名度を高めました。

流通面では、かつては名古屋など大都市への出荷が中心でしたが、2003年からはJAおきなわが県内・島内販売に注力し、地産地消を推進。2005年には島内での消費が9割を占めるまでになりました。この取り組みが評価され、JA石垣牛肥育部会は第47回日本農業賞「集団組織の部」特別賞を受賞しています。さらに、2017年の第2回銘柄牛肉好感度コンテストでは最優秀賞を獲得し、その評価は全国区へと広がっています。

石垣牛のブランド保護のため、2002年には図形と組み合わせたマークが商標登録され、2008年には地域団体商標としても登録されています。

2021年3月には、全国への円滑な流通を目指し、石垣牛流通協議会が発足しました。

定義

JAおきなわは、以下の条件を満たす枝肉を石垣牛と定義しています。

八重山郡内で生産・育成されたことを示す証明書があること
生後20ヶ月以上、八重山郡内で肥育されたこと
純粋な黒毛和種の去勢牛または雌牛であること
去勢牛は24～35ヶ月、雌牛は24～40ヶ月の範囲で出荷されたもの
日本食肉格付協会の格付けで、歩留等級がAまたはB、肉質等級が2～5等級であること

特に、肉質等級が4～5等級のものは「特選」、2～3等級のものは「銘産」とされます。

これらの厳しい基準を満たした枝肉には、石垣牛ラベルが貼付されます。

関連項目

牛肉#ブランド牛肉
日本のブランド牛一覧
地理的表示

外部リンク

石垣牛 - JAおきなわによるサイト
石垣市農林水産部畜産課
* 石垣牛流通協議会-株式会社ニイチクによるサイト

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