神奈川フィルハーモニー管弦楽団

神奈川フィルハーモニー管弦楽団について

公益財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団（略称：かながわフィル）は、神奈川県に拠点を置くプロオーケストラです。他にも横浜シンフォニエッタや東京交響楽団などが存在する中で、神奈川フィルは地域に密着した音楽活動を展開しています。主に横浜市保土ケ谷区にあるかながわアートホールを練習場としており、事務局は現在、横浜市中区元浜町に位置しています。

神奈川フィルは、横浜みなとみらいホールにて年9回の定期演奏会を開催しているほか、県内の小中学校への移動音楽教室やテレビ朝日の音楽番組「題名のない音楽会」、NHKの「歌謡チャリティーコンサート」等への出演でも知られています。その活動は、音楽を通じた地域貢献の一環として、多くの市民に支持されています。また、神奈川フィルは日本オーケストラ連盟の正会員でもあります。

沿革

神奈川フィルは1970年に創立されました。設立当初は鎌倉で「ロリエ管弦楽団」として活動しており、初演を大木孝雄の指揮で行いました。その後、1978年には現在の名称で財団法人の認可を受け、1985年には特定公益増進法人としての認可を得ました。1998年には横浜みなとみらいホールが開館し、これを機に定期演奏会がこちらに移行しました。2001年にはハンス＝マルティン・シュナイトが初めての定期演奏会の指揮を執り、以来、さまざまな指揮者との協働で演奏活動が続けられています。

特に2010年には創設40周年を祝う記念演奏会を開催し、マーラーの交響曲第2番「復活」を演奏しました。しかし、2011年には約3億円の債務を抱え、存続の危機に直面しました。その後、多くの支援を受けて債務超過が解消され、2014年に公益財団法人へと移行しました。

指揮者の紹介

神奈川フィルには多くの著名な指揮者が関わっています。桂冠芸術顧問として團伊玖磨が、桂冠指揮者には山田一雄、名誉指揮者には現田茂夫が就任しています。音楽監督には沼尻竜典が選ばれ、特別客演指揮者には小泉和裕が活動中です。歴代にも多くの優れた指揮者が名を連ね、それぞれがオーケストラの成長に寄与してきました。

公演内容と特色

このオーケストラは、オペラや古典派の音楽、ポップスにまで幅広いジャンルの演奏を行っています。特にオペラへの取り組みが特徴的で、横浜シティオペラや首都オペラと協力して数々の歌劇を上演しています。定期演奏会では古典派やロマン派の作品が定期的にプログラムに組まれ、ピリオド奏法を取り入れた演奏も行われています。また、ポップス・オーケストラとしても活動し、映画音楽などの演奏にも力を入れています。

楽団員解雇問題

2012年には楽団内部で解雇問題が発生し、解雇されたコントラバス奏者たちが不当労働行為を主張して訴訟を起こしました。この問題は数年にわたって争われ、最終的には楽団側が解雇を撤回し、和解に至りました。この経緯はオーケストラの運営や楽団員との関係、倫理的な観点からも大きな注目を集めました。

結論

神奈川フィルハーモニー管弦楽団は、地域に根ざした音楽活動とともに、多彩な演奏プログラムを提供するオーケストラです。その歴史や活動は、音楽を愛する人々との絆を深め、神奈川県の文化的な発展に寄与しています。

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