小泉和裕

小泉和裕（こいずみ かずひろ、1949年10月16日 - ）は、日本の指揮者であり、その才能は国際的に高く評価されています。京都府京都市に生まれ、堀川高等学校音楽科（現在の京都市立京都堀川音楽高等学校）を卒業後、東京藝術大学の指揮科に進み、山田一雄に師事しました。

1970年、第2回民音指揮者コンクールで第1位を獲得し、その才能を早くから開花させました。1972年10月にはベルリンのホッホシューレ（現在のベルリン芸術大学）に入学し、ラーベンシュタイン教授のもとでオペラ指揮法を学びました。1973年夏にはボストンのタングルウッド音楽祭に参加し、同年11月には第3回カラヤン国際指揮者コンクールで第1位を受賞するという快挙を成し遂げました。このコンクールでの優勝を機に、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してベルリンデビューを果たし、1975年3月には同楽団の定期演奏会にも出演しました。

1976年1月には、フランス国立管弦楽団を指揮し、アルトゥール・ルービンシュタインやムスティスラフ・ロストロポーヴィチといった巨匠たちとも共演しました。同年8月には、ザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮し、当時の最年少記録を樹立しました。その後も、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団やバイエルン放送交響楽団など、ヨーロッパ各地のオーケストラで精力的な指揮活動を行いました。

アメリカでも、1978年にラヴィニア音楽祭でシカゴ交響楽団を指揮して成功を収め、1980年3月には同楽団の定期演奏会に登場し、注目を集めました。その他、ボストン交響楽団、デトロイト交響楽団、シンシナティ交響楽団、トロント交響楽団、モントリオール交響楽団など、北米各地のオーケストラにも客演しました。ロンドンのロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団には、1988年より定期的に招かれ、数々の名演を残すとともに、チャイコフスキーの交響曲第4、5、6番のディスクを完成させました。

小泉和裕は、数々のオーケストラで音楽監督や首席指揮者を務め、その育成にも尽力しました。新日本フィルハーモニー交響楽団（1975年 - 1979年）、ウィニペグ交響楽団（1983年 - 1989年）、九州交響楽団（1989年 - 1996年、2013年-）、東京都交響楽団（1995年 - 1998年、1998年-2008年首席客演指揮者、2008年 - 2014年レジデント・コンダクター、2014年-終身名誉指揮者）、日本センチュリー交響楽団（1992年 - 1995年首席客演指揮者、2003年 - 2008年首席指揮者、2008年-2014年音楽監督）、岡山フィルハーモニック管弦楽団（2004年-2006年音楽アドバイザー）、仙台フィルハーモニー管弦楽団（2006年-2018年首席客演指揮者）、神奈川フィルハーモニー管弦楽団（2014年-特別客演指揮者）、名古屋フィルハーモニー交響楽団（2016年-2023年音楽監督、2023年-名誉音楽監督）などでその手腕を発揮しました。

趣味はゴルフなどのスポーツや陶芸、そして農作業を愛し、飛騨に農家を所有して畑を耕しています。自宅で食べる米は自身の畑で採れたもので賄えるほどです。近年は、これらの活動を優先するため、国内での活動に限定しています。

小泉和裕は、その卓越した音楽性と幅広い知識、そして情熱的な指導で、国内外の多くの音楽家や音楽ファンから尊敬を集めています。彼の音楽は、聴衆を魅了し、感動を与え続けています。

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