神奈川県ライトセンター

神奈川県ライトセンターの概要

神奈川県ライトセンターは、横浜市旭区に位置する視覚障害者向けの複合福祉施設で、点字図書や録音図書の収蔵・貸し出しを行う図書館と、視覚障害者のための体育館やプールなどのスポーツ施設を備えています。このセンターは、視覚障害者が必要な情報をアクセスできる場を提供し、同時に健康と運動を支援する役割を果たしています。

歴史

このセンターの歴史は1950年に遡ります。当時、赤十字社によって点字図書『愛の赤十字文庫』が創設され、県内の盲学校への貸し出しが行われました。1965年には、横浜赤十字病院敷地内で点字図書関連の施設が集約され、神奈川県点字図書館が開設されました。その後、図書館の蔵書増加に伴い、狭さが問題となり、1974年に旭区二俣川にある旧身体障害者更生指導所を改装し、現在の神奈川県ライトセンターが誕生しました。

このセンターは、体育室に書架が置かれるなど、老朽化やスペース不足の課題に直面していました。1990年には「ライトセンター再整備検討委員会」が設立され、障害者スポーツ施設の整備計画に組み込まれました。1991年にセンターは仮移転し、1993年に新しい施設が完成しました。2005年には神奈川県議会によって指定管理者が承認され、2006年から日本赤十字社が運営を担当することとなりました。

施設の概要

ライトセンターは、主に本館棟と体育館棟から構成されています。体育館はバスケットボールコート1面分の広さを持ち、スポーツ大会や音楽祭などにも利用されています。特に、壁面には消火器やベンチを埋め込むことで安全性を確保し、音の反響を抑えるために特別な構造が施されています。地下には25メートルの屋内プールがあり、こちらも視覚障害者が安全に利用できるように工夫されています。

さらに、地下1階には卓球室とトレーニングジムが設けられ、屋外には誘導ガイドロープ付きのジョギングコースがあります。これにより、利用者が多様なスポーツアクティビティにアクセスできる環境が整っています。

蔵書の状況

2023年3月には多様な蔵書が存在しており、点字図書は文学や社会科学などの分野で数多くのタイトルが揃っています。特に、文学に関しては9,956タイトルが用意されています。デイジー形式の図書も多岐にわたり、様々な雑誌や機関誌が発行されています。これらの図書は視覚障害者の日常生活や学習に重要な情報源となっています。

アクセスと周辺環境

ライトセンターは、相模鉄道二俣川駅から徒歩15分の位置にあり、相鉄バスの運行する専用路線が利用できます。周辺には多くの県の施設が集まっており、神奈川県警察運転免許センターや神奈川県立がんセンターなどがあります。日赤が運営する献血ルームも隣接しており、地域社会との連携が強化されています。

神奈川県ライトセンターは、単なる福祉施設にとどまらず、視覚障害者の生活全般を支援する重要な拠点として機能しています。また、地域社会との結びつきを大切にしながら、平等な情報アクセスを促進するために努力しています。

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