点字図書館

点字図書館とは

点字図書館は、主に視覚障害者の方々を対象とした図書館であり、点字図書の収集、貸し出し、点訳サービスなどを提供しています。一般の図書館とは異なり、図書館法に基づく施設ではなく、厚生労働省が所管する障害者福祉施設として運営されています。近年では、点字図書だけでなく、録音図書（オーディオブック）の製作や貸し出し、生活情報提供、インターネット配信など、提供する情報サービスの幅が広がっています。そのため、多くの施設で「視覚障害者情報提供施設」といった名称に変更する動きが見られます。

点字図書館の役割

点字図書館は、視覚障害者の情報アクセスを支援する重要な役割を担っています。主なサービス内容は以下の通りです。

点字図書の収集・貸し出し: 点字で書かれた書籍を収集し、利用者に貸し出します。
録音図書の製作・貸し出し: 書籍を朗読した音声データである録音図書を製作し、貸し出します。
点訳サービス: 一般の書籍を点字に翻訳します。
情報提供: 視覚障害者の生活に必要な情報を収集し、提供します。
インターネット配信: 録音図書などのデジタルデータをインターネットで配信します。

これらのサービスを通じて、視覚障害者の読書機会の確保や情報格差の是正に貢献しています。

点字図書館の法的根拠

点字図書館の運営は、身体[[障害者福祉法]]第34条に規定される「視聴覚障害者情報提供施設」に基づいています。この規定は、点字図書館の使命とほぼ一致しており、視覚障害者の情報アクセスを保障する重要な法的根拠となっています。また、著作権法第37条2項により、点字図書館は公表された著作物を録音することが認められています。さらに、同条1項により、点字による複製も可能であり、これらの法的根拠によって、点字図書館は多様なサービスを提供することができます。

点字図書館の現状

点字図書館は、全国各地に設置されており、視覚障害者の情報アクセスの中心的な役割を果たしています。近年では、デジタル技術の進展に伴い、録音図書のデジタル化やインターネット配信など、情報提供の形態が多様化しています。また、一般の図書館でも、点字図書や録音図書（特にDAISY形式）を扱うところが増えており、視覚障害者に対する情報提供の機会は拡大しています。

主な点字図書館

以下は、日本にある主な点字図書館の例です。

日本点字図書館
日本ライトハウス
京都ライトハウス
豊橋点字図書館
金光図書館
群馬県立点字図書館
上野点字図書館
神奈川県ライトセンター

これらの図書館は、それぞれ地域に根ざした活動を展開しており、視覚障害者の情報アクセスを支えています。また、全国視覚障害者情報提供施設協会（全視情協）を通じて、全国の点字図書館が連携し、情報や技術の共有を行っています。

関連情報

視覚障害者: 視覚に障害を持つ人々に関する情報です。
読書権: すべての人が読書の機会を平等に享受する権利です。
全国視覚障害者情報提供施設協会: 全国の点字図書館が連携するための団体です。
視覚障害者情報総合ネットワーク・サピエ: 視覚障害者向けの情報を提供するネットワークです。
視覚障害者への図書館サービス: 国立国会図書館が提供する視覚障害者向けサービスです。

これらの関連情報を参照することで、点字図書館の役割や視覚障害者への情報提供について、より深く理解することができます。

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