神谷広志

神谷広志（かみや ひろし）について

神谷広志は1961年4月21日に静岡県浜松市で生まれた将棋棋士で、棋士番号149を持ちます。彼は広津久雄九段の門下生で、プロ入りしたのは1980年代初頭。特に昭和55年度には、「55年組」と呼ばれる強豪棋士たちの一員として、その名を知られるようになりました。

将棋の経歴

神谷氏は中学に入学した際、アマチュア四級の実力からのスタートでした。しかし、その後の急成長により、中学2年生の秋には奨励会に入り、20歳の誕生日を迎える前にプロ棋士となりました。彼の棋士としての歩みは、1983年の若獅子戦での準優勝や、1984年の早指し新鋭戦での準優勝によって加速しました。

特に注目すべきは、1987年に記録した公式戦28連勝です。この驚異的な連勝は、同じく「55年組」に所属する塚田泰明が半年ほど前に樹立した22連勝を大幅に超えるものでした。神谷氏のこの記録は、長い間破られることのないものであり、2017年6月の藤井聡太による連勝記録の達成までは、歴代最長だったのです。しかし、藤井聡太との対戦記録においては神谷氏が依然としてプロ棋士相手の連勝記録を保持しています。

1997年度のB級2組順位戦では素晴らしい成績を収めた後、B級1組に昇級。さらに、2007年度の王位戦ではリーグに参加し、名人であった森内俊之に勝利するなどの活躍を見ましたが、リーグ残留には失敗しました。その後の2015年度には6連敗を経験し、降級点を受けることになります。2019年度には再び降級点を取り、2020年にはフリークラス宣言を行いました。神谷氏は2026年度まで現役を続ける意向を示しています。

棋風

神谷広志は多様な棋風で知られ、居飛車および振り飛車の双方を使い分けます。彼の将棋は力戦調なもので、非常に強気のスタイルが特徴です。ギリギリの局面であっても果敢に挑むその姿勢は「見切り」と「玉さばき」と表現され、多くのファンに愛されています。

プライベート

神谷氏は将棋だけでなく、猫を愛する愛猫家でもあり、1989年から1993年まで関東奨励会の幹事を務めた経験があります。また、テレホンカードの収集やアニメ観賞も趣味であり、特にジブリ作品に対する批評が知られています。2017年には袴田事件の元被告を訪問し、将棋好きとして親交を深めました。このように神谷氏の多彩な活動は将棋界だけでなく、広範なコミュニティに影響を与えています。

近年、彼は2024年8月14日に通算600勝を達成し、将棋栄誉賞を受賞しましたが、勝率は歴代受賞者の中で最低となるなど、数々の困難を乗り越えてきた証でもあります。昇段履歴は段階的に進行し、特に七段から八段への昇段に約17年もかかったことから、彼の棋士人生は波乱に満ちていたことが伺えます。

著書

神谷広志は著作も多く、将棋の戦法や戦略に関する書籍を数冊発表しており、これらは個々のプレイヤーにとって役立つ内容となっています。今後もその活動には目が離せません。

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